はるか、ノスタルジィのレビュー・感想・評価
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大林作品のメートル原器
どんなに恥ずかしくても、本質的な映像作家においては核となる作品がある。
はるかノスタルジィーはまさにそんな作品だ。
私たちはその核心から目が離せないし、最後はその核心に止まって何度でも考え続けるしかない。そんな作品だ。
大林宣彦作品を考えるものは、絶対外すことのできない作品だと言える。
大人のファンタジーなのです このような夢物語を見たっていいじゃないですか
1993年2月公開
原作は山中恒
「転校生」、「さびしんぼう」、「あの、夏の日 とんでろ じいちゃん」の原作者の方です
でも舞台は尾道ではなく小樽です
理由は原作者の故郷が小樽で尾道は小樽とそっくりだという彼のたっての願いからだそうです
ヒロインは石田ひかり、20歳
1991年の「ふたり」の公開時は19歳になる直前でした
役のはるかの年齢はおそらく16歳くらいでしょう
石田ひかりは16歳そのものに見えます
ひたすら彼女を美しく撮る
見つめ続けたい
穴のあくほど
小悪魔的で、華奢で折れそうにか細く儚い、血が透けるほどに白く清順なのです
もうそれが本作のテーマです
青春の時の叶わなかった恋愛が時を超えて、世代すら超えて成就する夢物語です
勝野洋が演じる主人公が35年ぶりに小樽に戻って、石田ひかりが演じるはるかに出会うところから物語は始まります
ですから回想シーンは35年前の1958年頃になります
でも売春禁止法のできる以前のことのようですからもう少し前になるのでしょう
ラストシーンは未来です
おそらく劇中の現在から35年後
つまり2023年の今頃のことなのだと思います
本作公開からもうそれだけの長い長い年月が流れたのです
はるかにそっくりな少女は主人公とはるかの子供ではなく、はるかがその後誰かと結婚して産んだ娘でしょう
でも空想です
そんな未来が有ればいいなあという願望なのです
青春の時に忘れようと努力して、思い出せなくなるほど忘れていたことを思い出させてしまう映画です
それらは忘れているようで、本当は心の奥底でずっと疼いていたのかもしれません
涙が溢れてきます
なんだかなあという本作への評価は、観終わってみると星5つをつけるしかなくなっていました
本作のような夢物語を見たっていいじゃないですか
このような愛の成就をしたかった
実らなかった愛の成仏なのです
大人のファンタジーなのです
小樽に行きたくなりました
中年ロリコン
全て中年親父の妄想と捉えると普通にいかがわしく、作風かもしれないが、終盤の展開は度が過ぎていて、もはや苦笑するほかない。老いても同じく、妄想し続けるぞと宣言されても…
石田ひかりのウェストの締まりと長い肢体のスタイルが美しい。尾美としのりの粗暴な運転の意味がよく分からぬ。
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