はなれ瞽女おりんのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
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すべてが水上勉先生のフィクションである。
水上勉先生のフェミニストで、左翼リベラリストの拡大解釈。
障害を持った女性の哀れみを誇張して、治安維持法が花咲く当時の軍部の愚行を描いた作品だ。
しかし、こんな事とあったのかもしれないが、アナクロ過ぎて焦点がぼやけている。と思う。
瞽女社会は封建的な社会かもしれないが、障害を持った女性が生き抜くべき叡智を備えた社会と見るべきだ。
歴史的にはなれた瞽女はほとんどいないのである。なぜなら、健常者でも貧困に苦しむ女性は、合法(当時)として体を売らざるを得なかった。
瞽女は「自らの生活を守る」立場だったのである。良し悪しはともかく。瞽女社会は女性の自衛的な封建社会だったのだと思う。
江戸時代とは、日本中世の封建的な人権を無視した社会と一方的に見てしまう。しかし、明治、大正と近現代になったからと言って、女性が解放された訳だはない。つまり、旧態依然の差別は法的にも残っているのだ。さて
象徴的に女性が解放されたとら言えるのは敗戦後の事。そう。
1946年の女性の普通選挙と1955年の売春防止法だろう。まだ、70年くらい。まだまだだな。月にまた行こうとか言う前に男女格差くらいなんとかしないとね。
で、瞽女を障害者として見た場合、法的平等を勝ち得たのは1996年の優生保護法から。しかも、優生保護法って1948年からの法律で、敗戦後の事なので。
これからまたいつでも揺れ戻しはあると言う事だ。
今年は昭和100年。
100年前にフィクションの主人公「おりん」は白骨になり、治安維持法が出来たって事だよ。100年前はこんな時代だったとみればいいんじゃない。
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