幕末純情伝のレビュー・感想・評価
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結局映画は監督次第か
『東京上空いらっしゃいませ』『つぐみ』を諸事情で映画館では見逃してしまったので、今度こそはと勇んで観に行った牧瀬里穂主演映画。沖田総司は実は女だったという設定のつかこうへいの小説の映画化で、坂本龍馬・土方歳三との三角関係を描いたラブコメ時代劇である。キャッチコピーは「沖田総司はBカップ」。
映画化以前につか自身の演出で舞台化もされていて、そちらは若手女優の登竜門として現在に至るまで何度も上演されている(僕は舞台は未見で原作も未読)。しかし映画は牧瀬主演の前2作に比べて全くつまらなくて落胆した。たとえ牧瀬里穂・渡辺謙(白血病からの復帰作)・杉本哲太の布陣でも、つかこうへいが原作でも、結局監督(脚本も兼任)がダメなら映画はダメなんだと思い知ったのだった。ちなみに薩長の描き方が結構辛辣というか、かなりおちょくっているので、薩長ファンは不快かもしれない。まあ、それ以前の問題としてそもそも映画としてつまんないけど。
新選組に女の子が混じっちょるぜよ
BSの録画を視聴しました。
坂本龍馬を渡辺謙さんが、沖田総司を牧瀬里穂さんが演じていて、キャスティングが良くて演出に味があります。
主題歌「幕末純情伝」「沖田総司はBカップ」はBY-SEXUAL。バンドブームの激戦を生き残れなかったBY-SEXUAL、ヴォーカルは歌が上手いというわけではないけど味があるバンドで好きでした。今もたまに聞いています。
何十年も前(明治維新に興味があった頃)に観た時は、この映画はふざけすぎていて好かんと思っていましたが、今あらためて観たら評価が変わりました。牧瀬里穂さんのファンではないし、明治維新がプロパガンダだと思っている今日この頃ですが、だからなのかこの映画が凄く好きです。
序盤からおちゃらけトーン
ディフォルメ感満載のつかの科白に秘められた物事の本質性は…
若い頃、つかの舞台は
「蒲田行進曲」と「熱海殺人事件」
を中心に随分と観劇したが、
この「幕末純情伝」の舞台が実際あったのか
どうか記憶は定かではないし、
この映画も未鑑賞だった。
それなりにお金を掛けての作品のようで、
創っている方は楽しそうだが、
つか式風刺性を全く踏襲出来ておらず、
ハチャメチャ性オンリーに感じ、
途中でこのまま観ていて良いのか
分からなくなってしまった。
そんな中、舞台の「蒲田行進曲」での
台詞だったかも知れないが、
「出たな!土方(どかた)歳三」に対し、
「土方(ひじかた)と呼んで下さい!」
との遣り取りに近い、
この作品の中の場面には懐かしみも感じた。
しかしながら、
牧瀬里穂はとても可愛いかったけれど、
ディフォルメ感満載のつかの台詞に
秘められた物事の本質性は、
特につかの舞台の上では
有効な表現手法としてなり得るが、
映像化に際しては、
「蒲田行進曲」の深作欣二監督のように、
余程の演出技量がないと、
とんでもない作品になってしまいますよ、
という典型的な作品のように思える出来映え
に感じてしまうばかりだった。
「精一杯走ってきたけれど、誰も隣に居ないんじゃ」
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