「声優二人はケチり過ぎ」白蛇伝 kouhei1813さんの映画レビュー(感想・評価)
声優二人はケチり過ぎ
NHKドラマ「なつぞら」で東映動画が作ったのが「白蛇伝」という事で見てみる。超大昔に見た記憶があったが内容は全く忘れていたが、人間と妖怪の恋物語であったわけだ。当時にしてはフルアニメーションで頑張っていたが、社長が声優代をケチったらしく森繁久弥と宮城まり子の二人というのはあんまりだ。ストーリーの練り方ももう一つで、後に手塚治虫と北杜夫の手助けが必要となったのは必然だったのだろう。その頃の高畑勲や宮崎勲は悔しかったんじゃないかな、その恨みで後の手塚アニメを腐し続けたのじゃないのかな。
宮崎監督は、この映画を観て、アニメーターになる決意をされました。そして、この映画の感動から『もののけ姫』では森繁氏に声優をしていただきたくて自ら森繁氏に頼み込みました。
高畑監督は1959年東映動画入社ですから、1958年公開のこの映画を観て、東映動画に就職した可能性はあるのではと思います。この映画に失望していたら入社しないのではと思います。
確かに、コケるかもしれない新事業なので、予算を潤沢に使えたとは思えず切り詰めたところは切り詰めたと思います。アニメーターもまだ少なく、養成しながらの自転車操業でしたから。
とはいえ、森繁氏・宮城さんともに当時すでに大スターなので、出演料も半端ない、無名の役者を何人も使った方が安上がりだったんじゃないかと思います。私としたら、かえって森繁氏・宮城さんを起用したことで、東映動画の本気度を感じました。
ちなみに、この頃はまだ”声優”onlyでやっていらした方はいらっしゃらず、熊倉氏をはじめ、皆TV・劇場での俳優業との兼業の頃の、本当に黎明期の作品です。
それでこのクオリティ。私からしたら感歎者です。
『なつぞら』見ていないので、このあたりのことがどう表現されているかわからないのですが、老婆心ながら訂正させていただきます。
失礼しました。