博多っ子純情のレビュー・感想・評価
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懐かしい博多の情景が息づく
路面電車が走っていた当時の福岡市内の様子や、福岡城址、筥崎宮の近くではすでに都市高速の概容が出来上がっていたりと、今見ても面白い発見の連続。
名優光石研のデビュー作でもあり、共演者も博多にゆかりの人が多い。博多弁のセリフも本当に流暢で、作者の長谷川法世がカメオ出演しているなど、見どころ満載です。
刑事コロンボの吹き替えで知られる小池朝雄さんが、父親役で見られるのも嬉しいサプライズです。当時、バリバリのアイドルだった松本ちえこが、ヒロイン役でいい表情をしています。
今あげたポイントに一切興味がない人には、まあ、刺さらない映画でしょうね。
みどころ
70年代の博多がいきいき描かれている。
福岡の市内電車や臨港線が出てきてわくわく。70年代の博多がいきいき描かれている。博多弁もかなりきついので、博多にゆかりない人がみると1回で理解できるのかは定かでなし。
誰もが通り過ぎた風景。
1970年代後半・博多。
博多山笠からの導入部が、思春期男子の若さ・勢いと程よくリンクし、物語が疾走していく。
DTたちの行動に、時を越えて共鳴し、頷き、笑い、悶絶する。
そして、その時を選ばぬ普遍性と共に感じるのは、男が男でいられた、大人が大人でいられた、最終章を切り取った作品であるということだ。
決して昔の方が良かったとは思わないけれど、暴力というものが人間に不可分のものとして存在しているということ。
子供には立ち入らせないエリアが厳然としており、且つ、そのエリアに導く大人の、先輩の、役割があったということ。
死が今よりも身近にあったということ。
色々なものが潜行してしまっている現在において、もっとスポットが当たってもいい作品だと思いました。
個人的なことですが、この作品より少しのちの時代に、福岡で生活していたので、博多弁や決闘の描写は、懐かしかったです。
実際に決闘する時代でしたね。
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