「藤村志保の魅力」眠狂四郎 勝負 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
藤村志保の魅力
冒頭では殺された侍の遺児を助け、道場破りをする狂四郎。みなしごに対して優しさを見せる狂四郎であった。貧乏人と富める者の差がはなはだしくなった世。その財政を司る朝比奈に興味を抱いた狂四郎。何者かに狙われる彼を助けるべく用心棒のようにつきまとう・・・狂四郎らしくないが、彼も天涯孤独の身。彼らに共感してしまう姿は人間味を帯びている。
キリシタンの異国人ヨハネスを夫に持つ占い師・采女(藤村)は、異教を布教した罪で牢に入れられた夫のため、越後堀家用人・白鳥主膳(須賀不二男)が朝比奈を殺せば助けてくれると約束した。凶作の世の財政を立て直すために尽力する朝比奈を守ろうとする狂四郎に対して、赤座を含む5人の刺客を送った采女であった。
高姫は狂四郎に興味を持ち、直接色仕掛けをかけてくる。彼女はお忍びで士官を目指す浪人とねんごろになったりするほど淫乱。その高姫を豚姫だと罵る狂四郎。ここでの2人のやりとりがたまらなく面白い!ブタ姫が雪よりきれいな俺の身体に触れようとは無礼千万!
刺客は次々に襲いかかる。銭湯でくつろいでいた狂四郎に襲いかかった男は高姫に絡んだ嫉妬心もあった。絶体絶命のピンチであったが、隣の女湯から刀を渡した采女。彼女もまた狂四郎に惚れてしまった。
白鳥は真剣勝負の御前試合を計画し、刀の鍔から刀身が抜けるように細工する。しかし、狂四郎がその刀を受け取るや否や、白島の仕組んだ猿芝居に気づき、朝比奈に向けられた刀身を回避する。そしてクライマックスでは「円月殺法破れたり!」を繰り返す刺客・海老名(戸田皓久)をあっさり倒す。朝比奈との友情や、惚れられても突き放す狂四郎がかっこいい!
ちなみに第4話にもヨハネスが登場するが、ここではもう処刑されたことになっている・・・