劇場公開日 1961年1月28日

「R.I.P」人間の條件 完結篇 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0R.I.P

2024年2月12日
iPhoneアプリから投稿

避難民やロシア人も出てきて戦争がより多層化する。冒頭で梶の変容を示し、岸田今日子に対する心ない言葉で、ただ生き残る梶にはあまりにも厳しい罪を着せる。中村珠緒を救えたのか。要求が極限になる。
際立つ存在感を放つ高峰秀子の生き方はこの作品の究極にも思える。彼女が下した咄嗟の判断は、結局は梶に下された判決のようでもある。結局、血で染めた手は落とさなければならないのか。
この期に及んで将校捕虜だとか、適当な通訳だとか、スターリンの肖像画だとか、金子信雄の死に様だとか、話はとどまらない。梶は最後の最後まで妻の笑顔に語りかけて歩き続ける。
随分歩きましたね。ここが人生の始まりです。

Kj