人間の條件 第3・4部のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
「一度くらい骨のある所を見せてみろ」って結局大日本帝国は、骨のある所は見せられずにアメリカにコテンパンにヤラれてしまった。もっと早く弱音を吐いていれば、日米中の犠牲者も少なかったのにと思う。
なんで仲良く出来ないのか?
敵はどこにいるんだよ。フルメタル・ジャケットにも暴力はあったが、基本的に上からの圧力として描いている。一方、日本の軍隊映画は決まって年功序列を暴力を描いている。つまり、制作側は年功序列を実力主義に転換させたい意図が丸見え。
「女の腐った奴」?
「死ぬのは何時でも死ねる!」
"人間とは何か"
関東軍に召集された《梶二等兵》事あるごとに古参兵から“可愛がられる”
人間とは何か?
高い理想を持つ梶にとって“軍隊の規律”とゆう高い壁が彼の行く先に立ちはだかる。
第三部の前半部分で、いつもみんなの足を引っ張ってしまう田中邦衛のキャラクターを観た人は思う事だろう。
「キューブリックの奴パクリやがったなぁ〜」…と(笑)
この第三部に関しては、似た様な題材として勝新太郎主演の『兵隊やくざ』が在る。
上官からどんなに制裁を受けても、常に顔を前に突き出す《勝新=大宮二等兵》とゆう、映画史に残る強烈なキャラクターだ。
正直に言ってしまうと、滅茶苦茶に面白い『兵隊やくざ』と比べてしまうと些か分が悪い。
しかし、だからと言って決して本作品の出来が悪い訳ではありません。
生真面目に戦争・軍隊批判を打ち出してしまっているが、娯楽性に満ち溢れた『兵隊やくざ』の様なアプローチこそ、観客を笑わせながら軍隊の不条理をより炙り出せていると思えるからですが…これは本来他の作品と比較するのは意味の無い事では在ります。
あくまでも個人的な見方としての意見でご容赦を…。
「会いたい人にはいつかきっと会える気がします」
梶の理想に共感を覚える人達が彼の前を通り過ぎて行く。
第四部ではいよいよ戦況が悪化の一途を辿る。
上等兵となり部下を持つ身となる《梶上等兵》
“彼の理想”は古参兵との軋轢を悪化させてしまう。
ここまでの第一・二部での山村聰。そして第三部同様に、この第四部でも彼の考え方に共鳴する上司や部下が多数現れる事で“孤立感”が生まれずに、映画的な面白味は若干ながら薄まってしまってはいる。
特に第一部で脇役出演し、直属の上司となる佐田啓二に何度となく哀願する事でその思いは強まる。
とは言っても第三・四部併せ、たっぷりと極上の3時間はまたしてもあっという間に過ぎ去ってしまった。
いよいよ日本は泥沼へと足を踏み入れる。
全六部作のクライマックスが近づいている。
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