「過去の『肉体の門』作品よりもわかりやすい。」肉体の門(1988) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
過去の『肉体の門』作品よりもわかりやすい。
パンパンとはインドネシアの言葉で「可愛い女」という意味らしい。戦後直後の荒廃した東京。1トン爆弾をご本尊として崇められていた廃ビルに女たちが米兵相手に体を売って金を稼ぎ、その場所に「パラダイス」というダンスフロアを作ろうと夢見ていた。ある時、戦争未亡人だと名乗る町子がやってきて仲間にしてほしいと近寄ってきた。しかし彼女は・・・といった展開。
GHQ、進駐軍がもたらした産物だといっても過言ではない。彼女たちのような存在、さらに闇市を仕切るヤクザ、戦争がもたらしたものは悲惨な死だけではなく、人々の心さえ奪っていく。正直に生きていても強者に全てを吸い取られていってしまう世の中なのだ。
「誰が戦争を始めたんだい?誰が勝手に負けたんだい?」などという彼女たちは自分たち「女の戦争」を戦っていたのだ。
五社英雄監督しては珍しく社会派ドラマ。ある意味、監督自身が不幸な少年時代を味わっていたとも感じられ、自身の経験をも生かした作品に仕立てあげたと思われる。過去作と比べてもヌードや濡れ場が少ないし、ヤクザや米兵に対する恨みが感じられるのだ。これで山咲千里、長谷直美、芦川よしみが脱いでいたら満点を献上したいほど・・・
ヌード:かたせ梨乃、西川峰子、加納みゆき、他
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