「とにかく痛快な戦争活劇!最高です!」独立愚連隊西へ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく痛快な戦争活劇!最高です!
いやー痛快!面白れー!最高!
前作とは全く独立しており本作単体で楽しめます
前作の主人公であった佐藤充が軍曹役で出演、泥沼の支那戦線の何処かという舞台設定が踏襲しているだけです
今度は本当に正真正銘の独立愚連隊で小隊となって行動します
小隊を率いる左文字少尉役の加山雄三が予想以上に良いです
彼の現代的でくだけた雰囲気でありながら、パリっとしている姿が役にピッタリです
そこに前作イメージを踏襲した佐藤充の演じる戸川軍曹が下士官について、曲者ぞろいの隊員を引き連れて大暴れです
戦闘シーンもいい加減なようで、要所は戦争映画ファンも満足いく本格的描写です
窪地の底の廃寺への突入シーンは、ザ・コンバットを思い出しました
でもそちらは1962年からの放映ですから本作の方が先
当時は兵隊上がりの人も現役だったはずですから、戦闘シーンの動きが本物そのものです
現代に製作される日本戦争映画では、戦闘シーンの兵隊の動きが如何に素人化しているか痛感します
撮影側、演出側が軍事的な素養を失ってしまっているため、勘所を演出指導できていないのです
単に爆発と銃撃を派手にやるだけのプアーな描写になりがちです
状況描写を的確に描写できる軍事的素養がないから、観客にすら戦闘状況を的確に伝えられなくなっています
本作の的確な描写はそれらとは雲泥の差です
見事な出来映えです
小隊を二手に分けて小隊主力が方向を見失うのですがその描写が、陽の影の向く方向で間違って東に戻っていると一目で分かるようにも撮影されています
タイトルにかかる重要なシーンでもありますから、地味で見逃し易いですがさすがでした
主題歌のマーチが素晴らしい!
タイトルの「独立愚連隊西へ」は
ウルトラセブン第14話「ウルトラ警備隊西へ」のタイトルの元になっていると思います
これは1968年の放映
独立愚連隊の発想は、1967年の洋画「特攻大作戦」にちょと似てます
前作での軍国化主義的、反中国的であるという左翼からの批判を受けました
そこで本作では敵の八路軍=中国共産軍は、敵ながらまあいい奴もいるというぐらいに軌道修正
フランキー堺の八路軍将校や元日本陸軍将校にして中国共産党のスパイ金山中尉役の中丸忠雄などを設定しています
これが却って物語の幅を広げて楽しくしています
その上で、手柄を立てて勲章貰って昇進しか頭に無い曹長を登場させて、軍国主義を象徴させて本当の敵としています
そして戦争孤児も登場させて両軍の間に置くことによって、戦場の中でのヒュマニティを失うなとのテーマが明確です
とかとか小難しい話はどうでも良いです
とにかく痛快な戦争活劇!最高です!