大魔神逆襲のレビュー・感想・評価
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少年終末旅行♥だ
シリーズ最高の傑作だと思う。
『殺しが静かにやって来る』や『アルジェの戦い』と同じ位インパクトのある作品だと思う。
ストーリーは、隣の国から奴隷として人を駆り出すと言う侵略行為を表している。勿論悪として。
さて、ショッキングな自己犠牲を見ると、この映画(シリーズ)での『神様』とは明らかにキリスト教に基づく『贖罪』と『自己犠牲』と『復活』を表している。
やはり、奥が深い作品と判断する。ワンマン制作者は、採算を度外視したストーリーを考えだしたが、良い意味で人件費のかからぬキャストに仕立ているのには頭が下がる。但し、見るものによっては、アナクロ過ぎると考えるかもしれない。私は結果だと思うが。
阿羅羯磨(アラカツマ)、憤激の抜剣!
大魔神シリーズ第3作。
Blu-ray(4K修復版)で2回目の鑑賞。
冒頭から荒ぶる神と云う特徴が強調され、姿は見せずとも暴れている描写がされていましたが、本筋は村の子供たちの冒険活劇なので、本格的に登場するのはやはり終盤でした。
本作の大魔神は雪の神。これまでにも増してクライマックスに大暴れするシーンが厳粛で幻想的でした。吹雪が舞う中、少年の命がけの祈りに打たれて復活した大魔神が、光を纏って雪の中から現れ身投げした少年を救うシーンが素晴らしい…
悪人を成敗する場面で、初めて宝剣を抜いた大魔神。下僕の大鷹が登場したりと新たな設定が生まれた回となりましたが、本作をもってシリーズは終了となってしまいました。ストーリーの幅をもたせられないので、マンネリ化を避けられなかったのは確かだし、致し方無いとは思いますが…残念…
[三部作総評]
CGには真似出来ないミニチュア特撮ならではのリアリティーと秀逸なドラマが融合した名シリーズ。
1年の内に、こんなにもクォリティーの高い特撮作品を3作連続で製作したと云うのは純粋にすごい…
世に悪行治まらぬ限り、魔神様のお怒りが再び…
シリーズ3作目。
前2作同様話に繋がりはナシ。
大まかなパターンは同じだが、今回新たな要素が。
非情な領主によって、村の男たちが“地獄谷”に連れ去られ、過酷な労働を強いられていた。
父親や兄弟を助ける為、4人の少年が地獄谷を目指す。
それには、荒神の居る魔の山を越えねばならなかった…。
初めて子供が主役に。
所々演出はユルくツッコミ所もあり、子役たちの演技もお○手で、キャラ描写も魅力ナシ(リーダー格の少年は一応しっかりしてるが、他は足手まとい!)だが、ガメラシリーズのように完全漫画のお子ちゃま向けまでにはならず、多少重厚感は損なわれてしまったものの、より明朗な娯楽活劇となっている。
少年たちの冒険。山越え、定番の橋の無い崖、敵の追っ手…。
冒険と危機の中、仲間の一人が犠牲になる…。
さらに追い討ちをかけるかのように、神の怒りの如き吹雪が…。
少年たちも神の怒りに触れたのか…?
が、少年たちはただ家族を助けたかっただけ。
少年の一人が祈り、我が身を捧げようとする。
それに応え、荒神が目覚める…。
これまでは魔神を目覚めさせたのは清らかな乙女だったが、無垢な子供の純粋な心の方が何だかしっくり来る。
今回の特撮の見所は、雪。
13時間かけて撮られたという雪の中からの出現シーン、最後は粉雪となって消えていくなど、なかなか難しい雪の特撮もお見事。
雪の中に仁王立ちし、吹雪の中で迫り来る魔神は、これはこれで映える。
また、魔神の使い手として鷹が登場。少年たちの窮地を救う。
そして今作で初めて魔神が腰の刀を抜く。…が、それほど期待以上の大立回りは無かったが。
ラストは魔神が悪党領主の身体に刀を突き刺し、煮えたぎる沼に落とすという、いつもながらの容赦ない天罰。
しかし『水戸黄門』さながら、悪は必ず討たれ、スカッと。
シリーズは本作で終了してしまったのが残念!
でもその分、知る人ぞ知る日本特撮の名3部作!
久々に3部作まとめて見たが、面白かった!
リメイク企画が何度も持ち上がり、現代版の『大魔神カノン』というTVシリーズも作られたそうだが、やはりまた映画で見たい。
勿論、本格時代劇としても楽しめる作品として。
だって、今の世の中、魔神様の怒りに触れそうな事が多いから…。
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