劇場公開日 2023年9月23日

台風クラブのレビュー・感想・評価

全45件中、41~45件目を表示

3.5今こそ本作と家族ゲームを受けて令和の時代の台風クラブをリメイクしなければならない

2019年9月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

家族ゲームに遅れること2年
ここでは家族のゲームを演じる家庭どころか
親すら登場しなくなっている

健の親が台詞もなく一瞬映るのみだ
それも彼の家が困窮家庭でネグレクトされていることを説明する為だけに登場する
ただいま、お帰りなさいの台詞はそれを表現するものだ

理恵が寝坊した時に父も母もいない
母を呼ぶだけで、父は呼びもしない
彼女は誰もいない家で母の布団にくるまり自慰をする
それは愛情に飢えている表現だ
台風の中の商店街で出会うオカリナを吹く不思議な男女
あれば彼女の両親の投影だ
オカリナはオカルトのもじり
彼女のオカルト趣味は両親から来ているものなのだろう
しかしその両親は娘の助けの求めには応えてくれず、全く取り合ってもくれないのだ
仕方なく警官の人形にすがるのだが勿論応えてくれるわけもない

兄弟も三上の兄だけが極短時間姿をみせるだけだ
その兄も弟への声かけは家計の心配、ひいては自分にどのようなしわ寄せが来るのかの心配によるものだ

思春期の不安定な精神を正面から受け止めてくれる家族はどの子供達にもいないのだ
子供達だけで思春期の精神の不安定さを乗り切ろうとするほかないのだ

台風という思春期の熱病の嵐の中で子供達は、所詮遊びつかれたら眠るだけの何もできない子供であることを知る
家出をして東京にいく、彼女を襲う、自殺を図る
これらは全部子供たちの夢想に過ぎない
だから、シャイニングや犬神家の一族の有名シーンのオマージュがあるわけだ
台風が去り子供達の精神が安定すれば、空は明るく晴れ渡り子供達は表面的には何事もなく学校に向かい日常にもどるのだ

一方、大人の代表たる梅宮先生は大人達だけで台風の中カラオケをしている
そこには濃密な心の触れあいがあるが、それは大人だけでしかない
家族が作られようとしているのだが、あの二人が結婚しても果たして普通の家族になり得るのか
それを先生の彼女の父の刺青が不安として表現している

子供達の親は団塊の世代の始めだろう、梅宮先生はその終わりの年頃にあたる
子供達は団塊ジュニアの走りになる

この構造は家族ゲームと同じだ
しかし本作では家族ゲームで松田優作が演じた家庭教師に相当する梅宮先生まで、子供達を突き放しているのだ

彼は子供達に夢や希望を与えようなどとはこれっぽっちも思っていない
それどころかか15年もたてば自分のこのような姿に成り果てるのだとさえ言い放ち子供達のそれを破壊するのだ

こうした家族の環境の中で団塊ジュニアは育ち今や大人になり、本作で登場しない親の歳になっているのだ
本作公開からそれほどの時は流れたのだ

子は親にされたようにしか子供を育てることは出来ないものだ
一体いまの中学三年生は台風が来たら、どう子供達は乗り切っているのだろうか?
ネットの中に避難しているのかも知れない

今こそ本作と家族ゲームを受けて令和の時代の台風クラブをリメイクしなければならないと切に思う

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あき240

4.0あの世とこの世の狭間

2018年8月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

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kkmx

3.0思春期のエネルギーをもて余す感じ

2018年6月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

怖い

・力加減が分からない暴力性
・嵐の中教室や体育館の壇上、校庭で半裸の中学生が狂乱で踊るシーンはただただスゲェって感想
・特に廊下から教室の中を捉えた定点ショットのダンスシーンは印象的
・♪「もし~も、明日が~、晴れ~ならば」
・女子中学生の下着姿がこれでもかと惜し気もなく見せてきて戸惑った
・喫煙、レズ、レイプまがい
・終盤の嵐が開けた朝、男子生徒が窓から飛び降りるショックなシーンだが、クラスメートが降りてみてみると上半身が突き刺さる犬神家スタイルでギャグなのか何なのか…

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mimiccu

2.5相米監督への苦手意識を確立した作品

2015年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

相米監督の追悼上映で観たので30年近くぶり,,,完全に忘れていたが相米慎二への苦手意識を確立した作品だった…「セーラー服と機関銃」は先日観直したら意外なほど伏線回収されてたが,これはやっぱりアナーキー過ぎるなぁ.工藤夕貴はじめ可愛いんだけどね.

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ykono

3.0ジム・ジャームッシュも注目した映画だが、僕にとっては凡庸な作品でしかない

2014年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

楽しい

脚本は、面白いのだが、時に高く評価される相米慎二監督だが、僕にとっては、多くの有能な日本映画監督の一人に過ぎない。
まず、絵作りが出来ていない。
寺山修司的な絵作りもあるのだが、乱雑で考えて撮影したとは思われない。
物語は、台風下の高校生の生態なのだが、主人公を高校に取り残された高校生らに入れなかった脚本に注目。
それにしても、バブルの来る前の80年代は、のどかで平和な時代だったと、つくづく思う。

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トグサ