双生児のレビュー・感想・評価
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【江戸川乱歩の同名短編を換骨奪胎した、インダストリアル浪漫忌憚。】
■江戸川乱歩の同名短編の内容はご存じの方が多いと思うので、割愛。
但し、今作では貧民窟で育った捨吉(本木雅弘)や、りん(りょう)の服装がインダストリアル美術で彩られている。
更に、塚本晋也監督作品には、欠かせなかった故、石川忠氏のインダストリアル&ゴシックミュージックが、独自の耽美的な映像を彩っている作品である。
浪漫チックな作風
採点4.2
久しぶり、しかも劇場での鑑賞です。
塚本作品としては珍しく浪漫チックな作風で、しかしこれが江戸川乱歩の世界と実にハマっていました。
そしてやはり音楽が良い。
いつもの削るような金属音でなく、そこはかとなく耽美を感じます。
合わせて美術、衣装にメイクも個性的。
それと眉なしがすごく新鮮、何より主演の二人に合っている。
りょうの髪型もすごいインパクトでした。
モッくんも井戸と貧民街メイクは鉄男そのもので、すっごい格好良いです。
そのモッくんの二役、光と闇の芝居がすごい良かったです。
自らも下に落とされたことで闇を知り見識を深め、そして温もりを持つ。
そのサイケデリックな世界、やはり面白かったです。
雪雄/捨吉
塚本晋也がプロ根性を炸裂させたというかメジャーでも自分の色を失わずに堂々とやってのけた感じがする。
まずオープニングの音楽が印象深く劇中でも流れる不穏な雰囲気にピッタリ、時代的にそうだとしてもどこか鈴木清順と木村威夫による"清順美学"に近い何かを!?
りょうってあんなに綺麗で魅力的な女優だと改めて、本木雅弘の狂った様と奇妙な存在感はある意味得意分野でも、当時観た時と同様に浅野忠信の格好良さが廃れないあの場面だけで全てを掻っ攫う役者冥利に尽きる。
もっと塚本晋也に映画を撮らせる環境が大手に金を出す太っ腹な器量が足りない。
毒々しくギラギラ
ビジュアル的・“妖”的要素的には非常に好み。毒々しくギラギラしていますが、ストーリー的にはもう少し展開・謎要素が入ってくるのかなと思っていたのでそこが残念かなと。個人的には映像作品として楽しめたけれどストーリー重視の方にとっては物足りないのかも。真っ直ぐ進行でした。
双生児-GEMINI-
塚本晋也監督が江戸川乱歩の原作を独自に描くファンタジーホラー。
主人公(本木雅弘)は医者、美人の奥さんには陰がある。
主人公そっくりの男が現れ、から井戸に突き落とされてしまう。
主人公になりすました男は・・・。
時空を超えた独特の世界を楽しむ。
本木雅弘の二役が素晴らしい
ストーリーがなかなかまとまっていてさらに
本木雅弘の雪雄役と貧民窟の捨吉役さらには
雪雄に残飯を井戸の上から投げ込む捨吉の形相が、凄みが有りどれほどの憎しみかが想像でき素晴らしかった。
捨吉を殺してしまった雪雄が流す涙のシーンも印象的でした。
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