「カメラ目線で『俺の名前は濱マイク、本名だ。』」遥かな時代の階段を シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
カメラ目線で『俺の名前は濱マイク、本名だ。』
のっけからのこのセリフにシビれて、濱マイクワールドにいきなりハマります。モノクロの第一作からカラーになり、より昭和感、よりヨコハマ色たっぷりです。警察やヤクザも手を出せない伝説の男との暗闘を縦軸に、マイク兄妹を捨てたストリッパーの母親との再会と確執を横軸にしたストーリーは、ウェットで情緒的な描写が多いけど、とても面白く最後まで引き込まれます。一件落着した後のマイク親子のエピソードも幕切れとしてスッキリします。役者では、鰐淵晴子の甘くも腐臭を放つストリッパーとかつての愛した男に寄り添う恋人、慈愛溢れる母親とを微妙に演じ分けているのには感服しました。永瀬正敏は、ますます濱マイク役に同化していくようで魅力的ですね。
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