昭和枯れすすきのレビュー・感想・評価
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響くね
親が突然死んだらこんなヤバい境遇になるのは多分今も同じかな。境遇は同じでも、この頃と今では人々の心境や人間の雰囲気、生きる力・・何から何まで違うのは妙なもんだ。
高層ビルと、バラックのようなアパートがともに存在していたこの時代。 何でもないような事件を巡って危うい兄弟愛を映し出した。見事な映画だと思った。結局、あの男はあの男なりに彼女を愛していたらしい・・それを知った時の主人公の心境が心に響いた。
このころの日本映画はまだ演技の質が高くて見ごたえがあった。
作劇的には、
殺される男と主人公の妹だけの話ではもたかったところをもうひとり、金持ちのボンボンをかませることによって、映画としての尺を稼いでおもしろさも増した。本当に何でもないような話なんだが見事な構成で緊張感とシンパシーを紡ぎだしていた。そしてクライマックスらしいクライマックスがないのにカタルシス的にはしっかりもってきていてキレの良さをも感じさせた。さすが新藤。
最後のベッドシーン、相手が妹に見えた。そのあとの電車の中、相手が彼女に見えた・・のは私だけであろうか?・・・実に見事な演出の妙だ。
野村監督の小品「昭和枯れすすき」の世界も魅力的
映画「昭和枯れすすき」は、荒涼とした都会で懸命に生きようとする刑事の兄と不良少女の妹が主人公。兄妹愛の葛藤と絆がテーマのサスペンスドラマ。
野村芳太郎監督は、結城昌治の小説「ヤクザな妹」の企画を会社(松竹)に出しますが、内容が暗いためか通りません。そこで、当時大ヒットの歌謡曲「昭和枯れすすき」の題名で再提案したところ、会社がスンナリOKしたそうです。勿論、さくらと一郎が歌う「昭和枯れすすき」は主題歌として挿入されています。 当時の繁華街やアパート群など、東京のロケーション映像が懐かしい川又昂のキャメラ、高橋英樹(兄)と秋吉久美子(妹)の異色のキャスティング。幼いイメージの秋吉久美子は当時21歳、活発で可愛らしい表情が魅力的な女優さん。超大作「砂の器」のベストスタッフによる、野村芳太郎監督の小品「昭和枯れすすき」の世界もまた魅力的です。
昭和の匂いが漂っていて案外面白かった
題名+あらすじを書いてみると
1=1974.7月発売の「昭和枯れすすき」が、150万枚の大ヒット、1975年オリコン1位
→ この映画でも、何度か音楽が流れてる
2=典子は、恋愛の我慢が足りない=恋に盲目女
→ 最初の相手の中川は、複数の女を股にかける女たらし
→ 性交後、堕胎も経験
3=典子は、保護者の兄に無断で学校を退学し、黙ってる
4=典子は、中川に復讐したくて、チンピラの吉浦と交際開始、ラブホに数度
→ 吉浦とグルで、中川から20万円を恐喝、及び、ネックレス等を買わせる
5=典子は、結果的に吉浦とトシ子の同棲生活を破綻させている
→ 19歳で、これでは、少しアバズレ女
6=吉浦が殺害されて、交際相手の典子に嫌疑がかかったが、
情婦のトシ子が殺人犯と判明
7=兄が典子に、①神戸の運送会社に中学時代の同級生がいる、
②故郷(青森)から、なるべく離れたい、と伝
8=85分、布団で男女の睦ごと → 暗いが、たぶんこの兄妹 → 少し不道徳?
9=兄妹が新幹線に乗車中、でEND
感想=①現在なら、そんな事はないなあ、②現在とは違うなあ、
と思う映像が多数あり
→ 人の態度、言葉使い、街の雰囲気、他
→ 昭和の匂いは懐かしい、 演技も皆、そこそこ上手
→ 案外、良かった
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