劇場公開日 1973年12月1日

「極めて日本的なドメスティックなもののようで、全世界の人が痺れる映画なのです!」修羅雪姫(1973) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0極めて日本的なドメスティックなもののようで、全世界の人が痺れる映画なのです!

2021年10月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日本人女性アーティスト史上初! 梶芽衣子がカンデ・イ・パウロと共演した配信シングル「修羅の花」が名門デッカ・レコードから全世界リリース!

こんなネットニュースを見ました
どういうこと!?

カンデ・イ・パウロは、2017年にYouTubeの動画が1,200万再生を超えて世界中で話題となり、2020年にイギリスのデッカ・レコードと契約を果たしたアルゼンチン出身の男女デュオだそうです

そのデビュー・アルバム「カンデ・イ・パウロ」が2021年6月4日にリリースされたそうです
日本盤限定ボーナス・トラックには、梶芽衣子をフューチャリングした「修羅の花」が収録されているといいます

ここまでなら、珍しいがたまにある話
その先の話がニュースだったのです

なんとその「修羅の花」が2021年7月2日に配信シングルとして全世界リリースされることが決まったというニュースだったのです

ジャズやポップスなどを扱うデッカ・レコードはかつてザ・ローリング・ストーンズの「ベガーズ・バンケット」などの名盤を出した名門レーベル
日本人アーティスト名義の楽曲を全世界リリースするのは、昨年のKan Sanoに続いて梶芽衣子が2人目で、日本人女性アーティストとしては史上初だといいます
まさに快挙です!

YouTubeでフルバージョン試聴できます
早速試聴してみると、ピアノ中心の静かなアレンジで、デュオとして歌っている所に、梶芽衣子の新録音のボーカルトラックが絡んでいく内容
歌詞は日本語のままで、原曲にかなり忠実です
聴く値打ちはあります
他の曲も良く、アルバムで購入してみたいとおもいました

ということで、本作を観ない訳には行かなくなりました
タランティーノのキル・ビルでオマージュされた雪の立ち回りは序盤ですぐ登場します
終盤では雪の中に倒れ込むシーンが有ります

ストーリーははっきりいって穴ぼこだらけですが、そんなことはもうどうでも良くなる恰好良さ!痺れます!
勢いが半端ではありません

藤田敏八監督らしい、反体制反日的な演出もこっそりと混ぜ込まれていますがさほど気にはなりませんし、そんな不純物を吹き飛ばしてしまう面白さがあります

梶芽衣子26歳の美しさ
射抜くように見つめる大きな目、細いつり上がった眉、広い額
白いきめの細かい滑らかな肌、細い肢体
クールビューティーそのもの
雪のように白く冷たくそして美しい
着物姿での所作、立ち回りも美しい
それに合わせた白銀の着物とアクセントのある色彩の帯
刀が仕込まれた、紫の蛇の目傘
そこに鮮血が噴きでて、辺りや着物、そして白い肌が赤く染まる
こんなにも美しい殺人シーンは、世界中見渡しても他にあるのでしょうか?

タランティーノはその美しさに魅力されたに違い有りません

主題歌「修羅の花」のオリジナルは、タイトルロールで流れます

極めて日本的なドメスティックなもののようで、全世界の人が痺れる映画なのです!

余談
東宝マークが冒頭でてきて驚かされます
東映の岩と荒波がでてくるとばかり思い込んでいました
本作公開の1973年に、「女囚さそり」のシリーズ乱発で揉めて東映とケンカ別れしたそうです
梶芽衣子さんカッコイいい!

あき240