「嗚呼無残!秘境に木霊す悲痛な叫び!」獣人雪男 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
嗚呼無残!秘境に木霊す悲痛な叫び!
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"超大怪獣大特撮大全集2020 PART.1―2月" で鑑賞。
原作は未読です。
内容に部落差別問題が含まれていることからソフト化されていない(サウンド・トラックは発売されている)本作を観ることが出来て感無量です。京都みなみ会館…神様かよ!
1分1秒観逃すまいと目を見開いていました。
それはさておき、怪奇とロマンに溢れた世界観に釘付けになりました。消えた山岳部員、未知の生物の痕跡、秘境の集落に暮らす人々、謎の美女…やがて姿を現した雪男の恐怖!
手に汗握りました。確かに差別表現は目に余るものがありましたが、内包されているテーマが物悲しく、めちゃくちゃ胸に迫って来ました。文明のエゴ、自然軽視…色褪せてない。
唯一の同族を殺害され、怒り狂う雪男…
その矛先は下手人の悪徳動物ブローカーだけに留まらず、彼を主と崇め畏怖していた集落の人々にまで及び、ついには飯島(宝田明)たち調査隊一行にも襲い掛かりました。その悲しみの叫びは秘境に木霊し、なんともやるせない結末へとひた走って行きました。異形のものが迎える最期はいつも切ない…
同年公開の「ゴジラ」とは違うアプローチで人類の過ちを告発し、警鐘を鳴らしていました。「ゴジラ」とキャストの殆どが被っていたし、これまた名作と来ている。
1954年、なんとすごい年なのか…
[余談]
監督助手、岡本喜八。マジか!
※修正(2023/01/20)
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