続 忍びの者のレビュー・感想・評価
全2件を表示
織田信長が嫌いになる・・・
恐ろしく、おぞましい忍者狩り。磔にはもう飽きた信長(城)は、信勝に尋ねると、「首だけ出して土中に埋めては?」という意見。馬に引きずらせたりして、人間の所業じゃないほどだ。
一向一揆の最後の砦、紀伊。雑賀衆が支配しているこの村に五右衛門(市川)が住みつき、憎き織田の首を取りたい一心でいた。そこへ徳川家に士官した服部半蔵(天知茂)が現れる。秀吉に傾く信長を討つには、疎んぜられてる明智光秀をけしかけて暴れさせることだと五右衛門に忠言する。五右衛門は早速、くノ一のタマメ(坪内ミキ子)を森蘭丸(山本圭)に近づけ、家康(永井智雄)の饗応役をまかされた光秀(山村聡)にますます信長に嫌われるように仕向けた。そして、信長の軍勢が手薄になったことを直接光秀に伝えるのだった・・・「我が敵は本能寺にあり!」と。本能寺の変に忍びの者が関わっていたとは!面白い。
さらに本能寺に火を放ったのも五右衛門。そして信長を直接切り刻んだのも五右衛門。後は光秀が勝ち戦を宣言するだけだった・・・そうだったのか。そこからは歴史が示す通り、家康は浜松から、秀吉(東野英治郎)は姫路から大返しを為した。一方、光秀が雑賀と組んでいたと知り、秀吉は石田光成を雑賀討伐に派遣させる。そして秀吉の兵糧攻めに遭って、もう飢え死に寸前の雑賀衆。五右衛門は愛するマキ(藤村)をも残し、単独根来衆の助けを求めて旅立つが、その前に秀吉の陣に爆薬によって一撃を加える。根来衆を連れ戻ったものの、すでに雑賀は壊滅状態。あらたに秀吉に対する恨みを募らせた五右衛門は半蔵から聚楽第の絵図をもらい侵入し、秀吉を討とうとするが、鴬張りによって敢無く失敗。捕えられ、煮え立った大釜へとゆっくり進む・・・完。
【2012年ケーブルテレビにて】
先ずは白黒映像の美しさ(撮影:武田千吉朗)に息を飲む。一人の忍者の活躍を描いているようで、結局は大きな策謀の駒でしかなかったという処が山本薩夫監督ならではか。
①内容は今更驚くものではないが堅実な演出で最後まで飽きずに観ていられる。②石川五ェ門(市川雷蔵)が根来衆(本物の根来寺で撮影したみたい)砦に着いてみると、雑賀党が皆殺しになっているシーンと、それに続いて根来衆も砦もろとも大筒で殲滅されるシーンはなかなかのスペクタクル。③織田信長・明智光秀・豊臣秀吉像は旧態依然だが、「本能寺の変」の黒幕は徳川家康説を取っているのが面白い。④織田信長役はまだ上健三郎と名乗っていた頃の若山富三郎。昔ながらの信長像なので結構嵌まっている。豊臣秀吉は東野英二郎でこれはぴったり。徳川家康は長井智雄でこれもヴィジュアル的にぴったりで且つ家康の老獪さを上手く醸し出している。⑤藤村志保、若!坪内ミキコも、くノ一には見えないがこんな役やってたんですねぇ。⑥山本圭も若!22歳の時だけど青年というより少年の面影が残る。森蘭丸役がおかしくない美少年というか美青年ぶり。本能寺の変のシーンでは槍を使ったアクション・シーンも見せてくれる。
全2件を表示