座頭市鉄火旅のレビュー・感想・評価
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闇の中に浮かび上がる座頭市の圧倒的なカッコよさ
なんだこれ?
スゲェ、カッコイイじゃん!!
というのが正直なところ。
子どもの頃、座頭市はもちろん知っていたし、みんなでチャンバラごっこをする時にはマネしてたし、その時だって子ども心に、カッコよさを感じていたのだと思うが、映画としてキチンと向き合ったのは、今回が初めて。
こんなに闇が深く描かれていたとは知らなかった。今のドラマではあり得ないくらい、灯火のわずかな光に照らされて浮かびあがった、勝新太郎の顔が持つ圧倒的なインパクトに痺れる。
話の流れや背景については、エピソードごとの場面場面で、説明セリフを端的に用いて、スッと観客に飲み込ませてから、魅せる殺陣の部分は、たっぷりと間や緩急をとって最大限に盛り上げる。もう「なんてスマートな!」と驚いてしまった。
昭和の大スターここにありを、心から堪能できる作品だった。
水前寺清子や、東野英治郎、藤田まことなど、懐かしい面々が観られたのもうれしかった。
BS12で鑑賞。次回も楽しみ!
BSフジ。 チーターの歌から始まる。おっと藤田まことだ。みんな若い...
様式美
安定の座頭市。相変わらず面白いです。
これまで何人もの敵をなぎ倒してきた座頭市。
その強さは、居合の腕だけではなく、その名刀のおかげでもあった。
本作では、その刀に寿命が来てしまう。刀を捨て、カタギとして働く座頭市。
さてどうなるのか?!・・・この設定自体がこれまでにないパターンでした。
本作ではうどん食いながら敵を斬ります(YouTubeにある名シーン)。
今回の悪役も汚い奴なんだ。
ひたむきに働く兄妹の全てを奪おうとするクソ野郎。
これに対して座頭市の怒りが爆発。
結局「やっぱり俺はカタギにはなれねぇ!」と言って、殴り込む。
ラストは「雪」の舞う「夜の宿場町」でのバトル。
何度観てもこの組み合わせは良いものです。
本作で15作目。愛着が湧いてきたというのもあるのですが、毎回、勝新太郎の座頭市としての魅力が増しているところが凄いです。座頭市は、サスペンスやチャンバラシーンは意外と少ない。何の変哲も無い日常シーン(話す、食べる、歩く、座る)や、日本の風景の撮り方で魅せてくるんだよね。これが様式美というものだと思う。
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