「シリーズを総括する荘厳なラスト!」ゴジラVSデストロイア しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズを総括する荘厳なラスト!
ゴジラ・シリーズ第22作(VSシリーズ第6作)。
DVDで鑑賞。
大人になった今改めて観ると、VSシリーズの完結編として製作されながら、1作目との繋がりが深く、ゴジラ・シリーズ全体の総括もしようと試みられた意欲作だな、と…
人類の犯した罪(戦争や核)への鋭い批判は1作目から正当に継承されている印象で、過ちが生み出した2匹の怪獣によって蹂躙されていく文明は、痛烈な皮肉として映りました。
ラスト、ゴジラがメルトダウンを起こして放射性物質を撒き散らしながら溶けていく姿は、荘厳で美しいものでした。
死を迎えようとしている瞬間さえ、人類から冷凍兵器ではあるものの攻撃を加えられる。その運命はやはり切ない。
凄絶な死に様でした。それを見守るしかない人類は、自分たちを脅かし続けて来た存在の死に何を思ったのか…?
[余談1]
初めて観たのは4歳の時。「ゴジラVSスペースゴジラ」同様、「ゴールデン洋画劇場」での放送を両親がVHSに録画してくれていたので、擦り切れるまで何度も観ました。
当時は衝撃的でした。ついこの間出会ったばかりのゴジラが早くも死んでしまったのですから。そもそも、「ゴジラって不死身じゃないの?」と云うのが最初の感想でした。
本作と関連の深い1作目はまだ未見でしたので、「観たい観たい!」と親にせがみ続け、ようやく小学2年生の時にDVDを買ってもらえました。いい想い出です。
[余談2]
メルトダウンや原子炉と云う言葉は、東日本大震災での原発事故以降、日本人の隅々まで浸透しました。本当は浸透しなくても良かった用語だよな、と…。つまりゴジラは、人類のつくりだした大いなる火の象徴として、我々の上に遠大な問い掛けを投げ掛けているのではないかなと思いました。
[以降の鑑賞記録]
2020/04/17:Amazon Prime Video
2020/12/09:Netflix
※修正(2023/06/01)
またまたコメントありがとうございます!
やっぱり衝撃的ですよね。
確かにスタッフの布陣としては、草創期からのメンバーはこの作品で最後なんですよね。現在でも愛される作品を残していただいたことに、心からの敬意を表したいと思う次第です。
本当に公開時は衝撃的でした。
その内容や第1作との直接的な繋がりから、今でも平成vsシリーズの中でも『vsビオランテ』『vsギドラ』と並んでお気に入りです。
また、田中友幸氏、伊福部昭氏、川北紘一氏にとって最期のゴジラ映画になった事にも感慨深いものが…。
それらも含め、ゴジラ映画の最終作の一つに相応しい作品だと思います。