「大っきなお友だち向けもいいけど」ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 hotakiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 大っきなお友だち向けもいいけど

2025年10月18日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

小生の子どもの頃 TVではいわゆるジャリ番がとっかえひっかえ再放送されていた。
親ににらまれながら くいいるように観ていたその子は あることに気づいちゃう。
東映仮面ヒーローものの都市破壊シーンに 必ずといっていいほどあのサタンローズ(分からない人はググッてね)のつたが映っていることに。
大好きなゴジラ作品にも 都市破壊にキングギドラやラドン等のそれが再利用されていることに。
子どもだから大人の事情なんざ知る由もなく 単純に手抜きじゃんってガッカリするわけ。
新怪獣ガバラが登場するにも関わらず 特撮シーンのほとんどが使い回しの本作品の評価たるや 散々なのはその子にとって必然だったのですよ。 もともとお話なんざどうでもよかったんですからね。
ついには本作品をゴジラシリーズ中 疎遠なあつかいにしてしまいました。
でもね回りがヒーロー、怪獣から卒業していきだしたころ たまたま本作品を再見したその子ははたと気づくのです。
これって おもしろい。
気弱な少年の冒険譚で成長譚。ジュブナイル映画だ。その子はちゃんとお話を観られるようになっていたのです。
手抜きとは何たることか。
当時の映画界をとりまく厳しい状況に知恵を尽くして 良質の物語を子どもたちに届けてくれていたのですよ。
大人の真摯な仕事がここにあるのですよ。

70周年記念の4K上映は あらためてスクリーンで鑑賞する機会を得て 色々なことを感じ 色々なことを発見することができる。
本作品のような色合いのゴジラ(ゴジラに限らなくてもいいのだが)が作られる ふところの広い多様な感性が復活してくれないかな。なんて思うのです。

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hotaki
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