紅の拳銃のレビュー・感想・評価
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トニーよ永遠に
赤木圭一郎の1961年の作品。
裏社会の人間に見出され、殺し屋となった青年が、暗黒街の抗争に巻き込まれていく。
銃の構造や持ち方、撃ち方…殺し屋として訓練する前半はなかなか良い。
このまま殺し屋稼業の非情な世界が描かれるのかと思ったら…、中盤から話が急転、実は…の連続でご都合主義であったり、やっぱりスター映画である事を感じてしまう。が、飽きさせはしない。
ヒロインとの淡いロマンスも話の軸。ラストシーンは切なく、余韻が残る。
主人公の周りには3人の女が居て、昔愛した女、想いを寄せる暗黒街のボスの女、淡い想いを抱く無垢な盲目のヒロインと、三者三様で面白い。
また、ヒロインは主人公に殺し屋の術を叩き込む男の妹であり、男の妹への優しさ、主人公と訳ありながら芽生える友情なども話のスパイス。
あらすじは面白そうであっても途中から中弛みする事が多い日活アクションの中で、傑作の一つ。
石原裕次郎や小林旭とは違うストイックな魅力で日活期待のスターだった赤木圭一郎は、本作公開後、新作映画撮影中に21歳の若さで事故死した。
和製ジェームズ・ディーンの名を欲しいままに…トニーよ永遠に。
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