「すべての恐怖の源」狂った一頁 ざむざむさんの映画レビュー(感想・評価)
すべての恐怖の源
百年前のアヴァンギャルド映画。百年はいいし、アヴァンギャルドもなんとなく、よい。だけど二つくっついたら、もう想像力が及ばない。
本来こういう映画は、崩壊まぎわの三階建ビルの地下にある名画座かなんかでやっているものじゃないか?扉をあけると、ガリガリにやせて血走った目をしたアートなお兄さんにギロッと睨まれる、とか。決して配信などでみるものじゃない、と、一応心してアマゾンで鑑賞させていただいた。
が、極上ホラーとして楽しめてしまった。もちろん名匠衣笠貞之助も文豪川端康成も恐怖映画を撮るつもりなどなかったはずだが、ぎっしり詰め込まれた当時の先端映画表現手法は後年ホラーの作り手にしっかり受け継がれていて、改めてみるとこれまで見た恐怖映画の映像が頭にあふれて、精神の安定を失いかけた。
さらにざらざらした白黒の映像は「貞子」や「ブレアウオッチプロジェクト」を思い起こさせて、怖い。作り物感がまったくないのである。予想していたのはまったく違った映画的快楽を味わえた。
ところでこのころ芥川龍之介は存命で、川端康成と交流があったというから、鑑賞する機会はあったのだろうか。想像するとちょっと恐ろしい。翌年彼は自殺し、同時に日本の暗い昭和が始まるのである。
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