口笛を吹く無宿者

劇場公開日:

解説

「鞍馬八天狗」の直居欽哉の脚本を「葵の暴れん坊」の山崎大助が監督した青春時代劇で北大路欣也・松方弘樹のジュニア・コンビの第三作。撮影は「怪談お岩の亡霊」の古谷伸。

1961年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1961年9月23日

ストーリー

松前藩の監督で和人とアイヌが品物を交換する日を、“交易会”と言う。“交易会”の交渉に北海道へ渡ったのは月論主膳、源太郎の親子であった。だが“交易会”は主膳親子との約束を無視した上役軍太夫のため、アイヌ達に不利な条件で終始した。アイヌ達はてっきり主膳、源太郎が裏切ったと信じ込んでしまう。そんな或る日、源太郎はイヨマンテの銀次と名乗るアイヌ青年と再会した。銀次は大熊に襲われた源太郎を救ったことがあった。その銀次が今はガンの腕を買われ、軍太夫一味の運上屋、蝦夷屋十兵衛の用心棒をしていると言う。源太郎は銀次から、蝦夷屋がアイヌとの間に砂金と鉄砲を交換していることを聞く。軍太夫、蝦夷屋は、アイヌに銃を売り、更に彼等と一合戦をもくろみ、反乱の名目でアイヌを討伐しようとしていたのだ。軍太夫一味のアイヌ虐殺がはじまり、険悪な空気が北海道を支配した。戦の前に話し合おうとしたアイヌの酋長セタナは途中何者かにさらわれた。源太郎はセタナを奪い返すために単身敵地に乗り込んだ。彼はそこで再び銀次に危機を救われた。だが館にもどって見ると待っていたのは父主膳の死体だった。父をアイヌに殺されたと思い込んだ源太郎は、今度はアイヌの集結する火山へ向った。そこで源太郎は十字架に張りつけられている銀次を見出した。セタナが軍太夫一味に殺されたため、銀次は誤解を受けていたのだ。源太郎必死の説得が功を奏し、銀次の誤解もとけた。そして主膳を殺したのも軍太夫一味だと言うことも分った。共同の敵軍太夫を討とうとするアイヌ達に源太郎は「和人とアイヌは戦ってはならぬ。和人の悪人は私が斬る」と銀次と二人別れを告げた。傷ついた銀次を介抱する源太郎に銀次は自分が本当は日本人であることを打明けた。その時セタナの娘シラリカと銀次の恋人で混血の摩耶が駈けつけて、軍太夫一味が集落に向ったことを知らせた。悪人たちの前に二人は大暴れ……。やがて、松前藩からの召し抱もことわって武士を捨てた源太郎と、銀次の大平原を行く姿があった。二人の行手にはシラリカと摩耶が待っている。

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