空海のレビュー・感想・評価
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空海の万能性描写が物足りなく、小川真由美による悪女・藤原薬子が印象的
佐藤純彌 監督による1984年製作(179分)の日本映画
原題または英題:Kukai、配給:東映、劇場公開日:1984年4月14日。
空海という人物が超凄いヒトというのは、命懸けで唐に渡り、仏教の原典を直接的に読むためにインドの言葉を短期間でマスターしたことで十分に分かった。
ただそれ以上に、密教トップの高僧である恵果和尚に後継者と認められて、直接手ほどきを受けられたというのも驚き。
ただ、その学んだ奥義がどういうものか、その価値が観ている自分には十分に伝わらず、物足りなさを覚えた。曼荼羅の様に文字だけで学び取れない真理があるというのは納得がいくところもあるが、文字による学習は意味が無いとの見解も異議を唱えたくはなった。北大路欣也・空海に弟子入りしたが突き放された加藤剛・最澄の気持ちに少し共感してしまった。
ただ、ノーベル賞受賞者は特定の研究室出身者に集中していることも事実としてあり、大きな業績におけるヒトからヒトへの直接的伝授の重要性は否定出来ないところか。最澄に対して、だから日本はダメと言い捨てた空海は、手厳しく日本人離れしているが、真理に近いのかも。
故郷・満濃池の築堤事業では、歴史的な事実として空海は唐から持ち帰った最新技術を導入したらしいが、映画ではただひたすら祈っているだけの描写だったのは、彼の多彩な才能を十分に示さないのかと、残念に思ってしまった。
映画全体としては、夫があり娘が后となったのに平城天皇と関係を持ち、権勢を持って政治に関わった藤原薬子を演じた小川真由美の悪女ぶりがあまりに印象的で、大きな部分をさらってしまった気もした。
監督佐藤純彌、特撮監督矢島信男、脚本早坂暁、原案協力上村正樹 坂上順 佐藤雅夫 斎藤一重。企画全真言宗青年連盟。製作高岩淡 中村義英、プロデューサー上村正樹 坂上順 佐藤雅夫 斎藤一重、撮影飯村雅彦、美術井川徳道 内田欣哉 今井高瑞、音楽ツトム・ヤマシタ、録音平井清重、照明金子凱美、編集市田勇、助監督土橋亨 南光 佐藤晴夫、スチール中山健司。
出演
空海北大路欣也、最澄加藤剛、薬子小川真由美、佐伯田公西村晃、玉寄上月左知子、真魚松岡章夫、真魚の兄立花一男、橘逸勢石橋蓮司、藤原葛野磨成田三樹夫、石川道益大場順、菅原清公伊東達広、高階遠成大林丈史、藤原縄主滝田裕介、式子菱谷広子、藤原仲成原田樹世士、平城天皇中村嘉葎雄、嵯峨天皇西郷輝彦、伊豫親王佐藤仁哉、真如宮崎達也、泰範佐藤佑介、智泉福田勝洋、実恵御木本伸介、勤操伊沢一郎、徳一辻萬長、永忠菅貫太郎、悦々室田日出男、房女真行寺君枝桓武天皇丹波哲郎、阿刀大足森繁久彌。
京都、奈良の寺社仏閣巡りがお好きな方なら、観て良かったと実感なされることと思います
空海 1984
真言宗の十八本山の若手僧侶で組織される全真言宗青年連盟による企画製作であり、しかも積極的に内容にまで関与されたようなので、映画としておもしろ可笑しくするために映画人の勝手な解釈による(舐めた)トンデモ要素は皆無ですから安心して鑑賞して頂けます
かといって無味乾燥で、面白くもなんともないかというと全然そうではありません
退屈で睡魔に襲われるなんてこともなく、どんどん引き込まれて、3時間もの長さの大作を見ることができます
京都、奈良の寺社仏閣巡りがお好きな方なら、観て良かったと実感なされることと思います
自分も生半可な知識を整理することができ理解を深めてくれました
見所は二つ
実物大の遣唐使船を使った撮影、中国大陸にロケしての撮影、
今ならVFX で済ませてしまうでしょうが、本作には実写ならではのVFX には無い説得力がありま
す
美術セット、衣装も良く考証がなされていると感じます
特に国際都市長安でのペルシャ人と思しき女性ダンサーの一団のシーンは必見です
綺麗に整備された奈良平城宮跡に行くと、そこにも実物大の遣唐使船が屋外展示してあります
キチンとした研究成果による再現だそうで、本作の撮影のものがどれだけ良くできたものかわかります
冒頭は平安京への遷都のシーンから始まります
天台宗と密教、空海と最澄の関係など仏教の理解だけでなく、何故平城京から平城宮へ遷都が行われたのかなども要領よく説明もなされ、古代史好きの方にも楽しく観て頂ける内容となっています
兎に角、奈良、京都を歩くと、ここも、あそこもいう具合に
どれだけスーパーマンなんだと思えるほど空海の足跡があります
本作を観ることでそれらの整理も自分の中でつけることができました
高野山や延暦寺にお参り、平城宮跡観光のご予定がお有りなら是非ともご覧下さい
考えてみれば、映画は曼荼羅とも言えるのかも知れません
空海と最澄はどちらが偉いか? お会いした事が無いので分からない。
さて、空海と最澄はどちらが偉いか?
お会いした事が無いので分からない。
空海と最澄の会話も記録が無いので分からない。
空海が高野山金剛峯寺に対して最澄は比叡山延暦寺。つまり、京都に近いのは延暦寺だから、最澄の方が。となるが、空海には東寺がある。しかし、人格の良し悪しと評価は別なのは言うまでも無し。
この世から逃げてあの世はない
空に問う、海に聞け、そして未来に燃えよ。
初鑑賞
1984年(昭和59年)公開作品
コアラとエリマキトカゲとチェッカーズがブームになった年
ロサンゼルスオリンピックの年
邦画では伊丹十三初監督作品『お葬式』が公開された年
アニメ映画では『風の谷のナウシカ』『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』など
洋画では『ゴーストバスターズ』『グレムリン』『ポリスアカデミー』『スパルタンX』など
真言宗の開祖空海が入定してから1150年の記念事業
真言宗では空海はまだ生きていると信じられているらしい
空海が今も住んでいるとされる高野山・奥の院には一日二回食事を運ぶ儀式が1200年近く続けられている
人聞きが悪いが映画会社にゴリ押しして作らせた179分の大河作品
真言宗は50年ごとに記念イベントを開催するらしくその一環
真言宗の力で興業的には大成功
監督は『幹線大爆破』『君よ憤怒の河を渉れ』『野性の証明』『敦煌』『北京原人 Who are you?』『男たちの大和』『桜田門外ノ変』の佐藤純彌
脚本は『天国の駅 HEAVEN STATION』『きけ、わだつみの声 Last Friends』『北京原人 Who are you?』『千年の恋 ひかる源氏物語』の早坂暁
空海が少年の頃から始まり留学生として遣唐使に乗り厳しい荒波を渡り唐・長安において密教を学び悟りを開きそれらを日本に持ち帰り高野山にて入定するまでの話
20年の予定で唐に渡り2年で帰国した空海に北大路欣也
唐に渡り特例で一年で帰ってきた最澄に加藤剛
娘を帝の後宮にすることによって権力を握った女官・薬子に小川真由美
空海の母・玉寄に上月左知子
空海と共に唐に渡り帰国した橘逸勢に石橋蓮司
出世街道まっしぐらの遣唐使・藤原葛野磨に成田三樹夫
唐で30数年巻物を写していた日本人僧・永忠に菅貫太郎
空海が初め親しくなる僧・悦々に室田日出男
房女に真行寺君枝
桓武の息子であり平城天皇に中村嘉葎雄
平城天皇の弟でのちの嵯峨天皇に西郷輝彦
空海の父・佐伯田公に西村晃
桓武天皇に丹波哲郎
空海のおじ・阿刀大足に森繁久彌
土木工事には直接参加せず護摩を焚く空海
菊池寛原作『恩讐の彼方に』の主人公である坊さんは先頭になって隧道掘りに勤しんでいたことを思うと複雑な気持ちになる
『天国の駅』でもそうだったけど中村嘉葎雄がまたしても情けない役
帝なのにみっともない
萬屋錦之介の弟なんだけどな
真行寺君枝が若く綺麗だ
ラストは現代(1984年頃)
北大路欣也と室田日出男と真行寺君枝が昔ながらの巡礼姿で集団に混じり歩いている
空海が今もなお生きていることを表現したのだろう
オマケのふた★からみつ★へそして更なるオマケへ!
空海や宗教に関心なければ、教え(面白味)ナシ!
真言宗の開祖である弘法大師空海の入定1150年を記念して製作された1984年の作品。
名も無き一介の修行僧・真魚はある修行の果てに悟りを開き、“空海”と改名。密教を得る為唐に渡り、やがて壮大な思想を広めていく…。
空海のドラマチックな生涯だけではなく、宗教や歴史など豊富なエピソードや多くの歴史上の人物が織り成す歴史巨編。
が、この当時の邦画大作にありがちなツッコミやトンデモ、妖しい演出や謎の演出も。
歴史映画にしたいのか、宗教映画にしたいのか、珍作にしたいのか。
あれだけの題材を扱いながら、話自体は面白味ナシ。
空海や宗教に通じている人が見れば堪らないのだろうが、その双方に関心無い者としては、ポカ~ン…。
ただ何となく、スペクタクルや大掛かりな特撮シーン、北大路欣也の熱演や名優たちの豪華共演を眺めていただけ。(森繁久彌と丹波哲郎のツーショットはスゲェ…!)
本作の方が真っ当な空海映画なのかもしれないけど、妖猫ミステリーの方が映画として面白味あったかも。
3時間の超大作なのに、これだけしかレビュー書けない事で察して下さい…。
意外とエロチックシーンが・・・
弘法大師御入廷1150年御遠忌記念映画である。中学のとき、空海と最澄の穴埋め問題はいつも迷ってしまい、真言宗、高野山、天台宗、比叡山と繋げる問題も苦手だった。なんと、この映画を観てしまえば迷うことはない。北大路欣也=空海、加藤剛=最澄として記憶に残ってしまいます!そんな空海と最澄の違いもわからなかったのですが、仲良くやっていたのに決別の時が訪れる。エロチックなシーンはこのためにあったのかと感ずるほどで、修業時代に経験した富士山大爆発の折に洞窟へと避難したときに「抱き合え!」と言った途端に、集団セックスみたいな雰囲気になっていたのです。そうした男女の営みさえも生きる術として、認めているのが真言宗。最澄は受け入れられなかった・・・こんな認識でいいのか・・・もちろん、それ以外にも、薬子役の小川真由美がエロかった。
幼少期の佐伯真魚の時代、そして修業時代、さらには遣唐使として長安へと留学。その留学生時代のエピソードも面白く、20年かかる密教の勉強を3ヵ月で終えてしまったり、梵字を3ヵ月で習得したりと、秀才ぶりを発揮する。終盤、ため池を作るシーンでは村人がせっせと堤防を作っている横でずっとお祈りをしている空海にちょっと笑ってしまいそうになった。バチが当たりそうだ。
3時間近い映画なのに不思議と眠くならない。仏教について学びたい方、高野山へ旅行に行きたい方はぜひ!
9:50amの回 ほぼ高齢者ほぼ満員 もう20年以上前にビデオで見...
学生時代にLDで観ました。秀作
学生時代に図書館のLD(あれ?DVDだったっけ?)で観ました。
山籠りしていた頃の日本での修行時代の話もあります。
空海の人生をおおまかに知りたい場合に良い作品でしょう。
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