銀座化粧のレビュー・感想・評価
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銀座の女よ薔薇のように
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女性映画の名手・成瀬巳喜男1951年の作品。
銀座の女たち男たちの悲喜こもごもの人間模様。
大女優・田中絹代の名演や成瀬の手腕もさることながら、興味深いのは当時の銀座の風景。
ネオン街、風俗、市井の人々の暮らし、当時そのままの街並み…。
古い映画を見る時、それらを映像として見る事が出来るのが最大の醍醐味の一つ。
幼い息子を女手一つで育てながら、銀座のバーで働く雪子。
しっかり者のいい女だが、男運が無い。
息子の父親であるかつての情夫は今も金を借りに来る。
店の客から飲み逃げに遭ったり、強引に関係を迫られたり…。
男なんて皆ケダモノ。
そんなある日、友人から一人の男を紹介される。
誠実な人柄に惹かれる。
男と外出中、息子が行方不明に。
男の相手を店の妹分に任せる。
息子は無事見つかるが、妹分と男が親密に…。
逃してしまったまたと無い縁。
縁があったのは妹分の方と諦めるしかない。
女としては切ないが、母として息子を放って置ける筈がない。
出会って、惚れて、惹かれて…。
女と男の関係は変わらない。
逃した縁の後ろ髪を引かれず、また今日も前を向いてこの街で歩いていく。
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