「今も昔もサラリーマンは血を吐くほどつらいよ」巨人と玩具 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
今も昔もサラリーマンは血を吐くほどつらいよ
キャラメルを主力商品とするある製菓会社は売り上げに伸び悩み、宣伝部はますます渇を入れられる。
宣伝部は街で拾った女の子をモデルに起用。虫歯が目立ち、格別美人でも可愛くもないが、自然体の魅力で人気者になる。
が、キャラメルの売り上げは一向に伸びず…。
1958年の作品。
高度経済成長期真っ只中。
それを窺えるモーレツ・サラリーマン映画。
増村監督の演出はテンポよくエネルギッシュではあるものの、今見ると古臭くステレオタイプではあるが、テーマは現代にも通じる。
過剰な商品宣伝、ライバル会社との競争、人気者になって天狗に…。
宣伝マンにはプレッシャーがのしかかり、胃が痛くなる。例えではなく、本当に血を吐くほどに。
見る前はもっとコミカル要素あって、痛快なサラリーマン映画かと思ったが、違った。
モーレツでもなく、痛烈な社会風刺サラリーマン映画だった。
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