「鬼滅とハシゴ」機動警察パトレイバー the Movie 市丸六後さんの映画レビュー(感想・評価)
鬼滅とハシゴ
35年前に衝撃を受けた映画と、最新で衝撃を受けた映画。正直遜色ない!
当時も劇場でなく家でレーザーディスクで見まくって、ようやく初めて大スクリーンで観れた。もう感無量。
アニメは気に入ったものしか見ないので自分の中で鬼滅の完成度は今現在の技術で最高到達点だと思ってる。予算も設備も段違いなんだろうけど、当時の「劇場版」は鬼滅と同じ土俵で戦えると思った。完成度も熱量も高く引けを取らない。
前提としてパトレイバーが別格に好きで、なんだかんだ押井ワールドがやっぱり好きという欲目はMAX。
OPがもう神。ホント神。プロローグが曲に合わせてスタッフクレジットと暴走レイバーの捕獲戦闘。初見で本当にこのOPの戦闘にはド肝を抜かれた。そしてハッチが開いて無人のコックピット。からのタイトルとOP曲。
最高にシビれる…!!!!
このヘンは当時の製作スタッフも完成したOPを初めて見て衝撃だったって微笑ましい話を見た。
今この映画を観て、改めて脚本も構成もプロットも完璧だと思った。キャラもクセアリが立ってて良き。何より作画がセルで手描きというのがたまらん。
ロボットものなら今は特に3DCGが当たり前なせいか、残念ながら自分には刺さらなかったジークアクスは、肝心のMS同士の戦闘が、当たり前になってしまった3DCGに埋もれて凡庸だった。
35年前当時の環境で、3DCGがないからこそ見せたい構図がハッキリしておりその当時の可能な技術で形にしたという執念が、無駄なキメゴマが一つもなくどれも本当にカッコいい。最後の朝日の中のイングラムと零式の戦闘作画の美しさは手描きでどう描いたのか不思議なレベル。ここはコントラストも最高に美しい。
千葉さんの声が若い。井上遥さん泣けるし後藤さんの仕事も素晴らしい。昭和の遺物と近未来レイバーの対比はやっぱり上手い。今現在のAIは滑らかに喋るけどこの映画のようにいかにも機械、という音声もいい。
それにしてもパトレイバーという、あくまで警察車両でナンバープレートも付いてて肩の回転灯がパカパカするのがホントに好きだ。
ムビチケ一枚しか買わなかったの大後悔。10枚くらい買っとくべきだった。
