「題材は良さげなのに・・・」河童 ソロモンさんの映画レビュー(感想・評価)
題材は良さげなのに・・・
かなり久しぶりにみる作品です。小さいころに見たのはぼんやりと覚えているのですが、どんな作品かはまったく記憶にはなかったので久々に鑑賞。
「米米クラブ」のメンバーの一人が監督したということですが、本当に撮るの初めてなのかというくらいの仕事っぷりをしているとは思います。ちゃっかりエンディング付近で自分たちの曲を流しているのは気になりましたが。
作品としては和製版「E.T」のような感じで、懐かしき昭和の雰囲気を見せておく割には設定はやたらSFチックな感じ。なんていうのかあれだけ童話のような話を見せてくれそうな流れだったのにいきなりのこの設定には違和感がありました。最後のあの展開もいろんな意味で驚き。さすがに吹っ飛びすぎな気がします。
昔にはいっぱいあったであろう村の守り神だとか祟りだとかの良さや面白さを存分に魅せるような素振りをしておいてあまりそのテーマを前に出さずとどこか勿体ぶった演出も個人的にはあまりいい印象を持てなかったです。
その気はないのかもしれませんがそれならそれで、それらの要素をごっそりと省くことをしてほしかった。とにかく作品全体として一線を越えるよなことをせずに終わってしまったといった感じです。
ただ陣内さんの熱血があるようでどこか落ち着いた感じの演技や藤達也さんのどこか重い宿命を背負ったような演技はとてもよかったです。特に最後の藤達也さんの場面はとてもすごかった。
あと当時としては最先端のCGを使ってるそうで、その甲斐あってか河童のCGは割とよくできてると思います。そのCGに違和感が感じられないような編集も好印象。
こども向きの映画にはなかなかいいと思います。今見ると古さがかなり痛手に出ているとは思いますが・・・。