「とてもよかった」男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
とてもよかった
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中原理恵の顔立ちは癖があって苦手なタイプで、あんまり夢中になれないマドンナだったが、ちょっとしか出番がなかった渡瀬恒彦の退廃した感じがあまりに魅力的でたまらない。サーカスのバイクでは『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』のライアン・ゴズリングも似たような役どころで被る。そんな彼の魅力に参って健康まで害している中原理恵の気持ちを理解せず勝手に、話を付けに行った寅はやっぱり男女の営みを何もわかっていないと思わざるをえない。
渡瀬恒彦に立腹していたおばちゃんもちょっと変だった。魅力に参ってしまいそうでそれをせき止めるために声を荒げていたのではないだろうか。目の敵にしすぎだ。
そんな渡瀬恒彦が暮らすアパートが風呂なしトイレ共同の四畳半みたいなところで、やたらとリアル。
前回の反省をしたのか寅が完全に恋の舞台から降りていて、中原理恵からおじさん扱いされてもひるまない。
満男がブラスバンド部でフルート。
タコ社長の娘が美保純で結婚式。ところが結婚相手も奥さんも一切出なかった。美保純はいちいち仕草やセリフが決まっていてかっこいい。特に参道を歩くときに舌を出すのが最高だ。
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