劇場公開日 1981年12月28日

「【温かいとらやという家族を持つ寅さんが、如何に幸せな男なのかという事を丁寧に描いた作品。しみじみとした哀愁、郷愁が漂うシーン多き、佳品である。】」男はつらいよ 寅次郎紙風船 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【温かいとらやという家族を持つ寅さんが、如何に幸せな男なのかという事を丁寧に描いた作品。しみじみとした哀愁、郷愁が漂うシーン多き、佳品である。】

2024年6月15日
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■今作で、寅さんが出会う人達

 1.寅さんを良く知るテキヤのカラスの常(小沢昭一)
   病床に臥せっており、見舞う寅さんに”俺に万一の事が有ったら、光枝を頼む”と告げる。

 2.その妻で、今作のヒロイン、みつえ(音無美紀子)
   両親の愛を受けれずに、不良だったと寅さんに告白する。気丈だが過去に哀しみを抱え、更に常も病気で失う。

 3.家を飛び出したハッチャけているが、実は哀しみを胸に抱き、相部屋になった寅さんに惹かれ、一緒にテキヤの仕事を手伝う愛子(岸本加世子)

  という、どこか寅さんの境遇に似ている人達だが、決定的に違うのは寅さんには、いつ帰っても寅さんの身を案じている温かくも盤石な砦の如き”家族”が居る点である。

<今作は、面白いシーンもいつものように多数あるが、みつえを演じた音無美紀子さんの落ち着いた風情から漂うどことない哀愁が印象的な作品である。
 それと対比する形で、寅さんが帰る温かき場所がある事に気付き、みつえとの所帯を持つ事も考え、真面目に働く決意をする珍しきシーンがある作品でもある。>

NOBU