「ワットくん頑張れ!」男はつらいよ 寅次郎頑張れ! 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ワットくん頑張れ!
シリーズ20作目。
OPの夢は、とらやが何と大金持ちに! 西洋風のお屋敷に住み、いい洋服を着て、ゴージャスな暮らし。
とらやはどうなった?…と聞く寅さんに皆ゲラゲラ笑い、寅さん大困惑。
何だかんだ言って、寅さんはあのとらやが好きなのである。
毎度お馴染みとらやに下宿人が。
と言ってもマドンナではなく、青年。
名は、良介。電気工事の仕事をしている事から、あだ名は“ワットくん”。
さくら夫婦の知り合いで、満男とよく遊んでくれる自然体の気のいい青年。
とらや一同もすっかり気に入り、可愛がられてる。
そこへ、寅さんが帰ってきて…。
ファンの間では有名。良介は寅さんを押し売りと勘違い。
プンプンプンプン面白くない寅さん。
良介は出て行くが、近所のパチンコ屋でばったり再会。
初対面はトンデモだったけど、ひと度話してみると、確かにイイ奴。
寅さんも気に入って、引き続きとらやで暮らす事に。
近所の食堂にふらりと入った寅さん。
幸子という若い女の子がおじさんと切り盛りしている。
するとそこに、良介が。行き付けの店らしいが…、寅さんはそれだけじゃない事に気付く。
こいつ、惚れてるな。
と言う事で、寅さんのもう一つの得意(?)事。恋愛下手な若者の恋の指南役の始まり始まり~。
中村雅俊と大竹しのぶが若い、若い!
中村雅俊の好青年ぶりもさることながら、大竹しのぶが何と可愛らしい!
寅さんは二人をくっ付けようと大張り切り!
現役時代はダメでも、引退したら名コーチに…?
デートが決まり、寅さんは色々アドバイスするが、ベタなくらいの昭和デートで、さらには結婚や結納の事まで先走る。
ところが、デートは失敗。おまけにちょいと誤解があって、良介はフラレたと思い込む。
そしてこれもファンの間では有名。自殺しようとした良介は、とらやの二階でガス爆発を起こしてしまう!
色々やらかしてしまった良介は、意気消沈のまま故郷の長崎・平戸へ帰る。
さすがに良介の事が心配な寅さんも平戸へ。そこで…
寅さん、今回はコーチだけ?
いえいえ、寅さんはまだまだ現役。
今回のお相手は、良介の姉・藤子。
演じる藤村志保が、和服姿が似合う日本美人。
寅さんは早起きして、藤子が切り盛りするお土産屋をお手伝い。
誰がどう見たって、「惚れとるばい」。
寅さんと良介の恋の行方は…?
良介と幸子の方は、誤解が解け、晴れて付き合う事に。
一方、寅さんの方は…、いつも通り。
そのシーンが、幸子のおじさんの美声も相まって、しみじみとした名シーンに。
記念すべき20作目だが、内容的には定番中の定番。
尺も95分と比較的短く、コンパクトで見易い一篇。