「画伯と芸者と後悔について」男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
画伯と芸者と後悔について
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"男はつらいよ" シリーズ第17作。
Huluで鑑賞。
冒頭の夢は「JAWS/ジョーズ」のパロディーでした。
寅さんが居酒屋で知り合った小汚ない老人。てっきり貧乏ジジィだと思っていたら、有名な画伯だったことから一騒動。いつもならばサイドストーリーは本筋にあまり関わって来なかったのに、後の展開にきちんと絡んで参りました。
龍野方面へ旅に出た寅さん。偶然その画伯・青観も絵の依頼の取材旅行でこちらに来ており、一緒に回ることに。宴席についた芸者のぼたんと知り合いになった寅さんは、所帯を持とうと空約束。そこから物語が大きく動き出しました。
社会派の要素が組み込まれていました。いつの世にも悪いヤツはいる。狡猾な手段で弱者を苦しめる。世はお金が全てと言わんばかりに無いところから無理矢理絞り取っていく。
相手の元へ殴り込もうとした寅さんでしたがそれでは敵の思うツボ。画伯に助けを求めたものの断られてしまう。寅さんは成す術も無く、失意の内にまたもや旅の人となりました。
人間、必ずなんらかの後悔を抱えて生きている。後悔にずっと苦しめられている人もいる。ああすれば良かったなとか、こうすれば良かったなとか、考えることは多々あれど、そう云ったことも引っ括めた上で人生なのかもしれない。
後悔先に立たずとは上手いことを言ったものだな、と…。しかし、後悔したからこそ、その後の生き方をどうすべきか考えられると云う面があるんじゃないかなと思いました。それ次第で、後悔を取り返せる日が来るのかもしれません。
[以降の鑑賞記録]
2020/07/25:BSテレ東「土曜は寅さん!4Kでらっくす」
※修正(2024/04/19)
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