劇場公開日 1974年8月3日

「【”君の自分の信ずる道を選んで真っ直ぐ進んでくれた事を嬉しく・・。”寅さんが吉永小百合演じる夫を亡くした歌子の口下手な文筆家の父を諫めた事で、名優宮口精二演じる父が詫びる言葉がとても沁みた作品。】」男はつらいよ 寅次郎恋やつれ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【”君の自分の信ずる道を選んで真っ直ぐ進んでくれた事を嬉しく・・。”寅さんが吉永小百合演じる夫を亡くした歌子の口下手な文筆家の父を諫めた事で、名優宮口精二演じる父が詫びる言葉がとても沁みた作品。】

2024年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

ー 今作は、女性の幸せと自立について描いたと作品であると思った作品である。-

■寅次郎は2年前に陶芸家と結婚し、幸せに暮らしていると思っていた歌子(吉永小百合)と旅先の津和野で再会する。
 歌子は夫を亡くし、現在はその実家で姑、小姑と肩身の狭い暮らしを送っていた。
 寅次郎の励ましを受けたた歌子は、しばらく“とらや”で過ごすことになる。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・前半は、旅情豊かな温泉津温泉での寅さんの儚い夫が家を出たまま帰って来ない夫人への想いを描いている。蒸気機関車が煙を出して走る姿が一層哀愁を帯びて見える。

■だが、今作の見所は後半である。歌子の夫が病で亡くなった時もハガキ一枚だけ送って来た父との確執に悩む歌子の姿を見て、漢、寅次郎は文筆家の歌子の父の家へ行き、その行為を厳しく糾弾し、歌子に謝罪するように申し入れるのである。ナカナカ出来る事ではない。
 その行為を知ったとらやの人達に寅さんは、酷く叱られるがそこにやって来た昭和の名優である宮口精二演じる父が口にした”君の自分の信ずる道を選んで真っ直ぐ進んでくれた事を嬉しく・・。”と言い、嗚咽する姿に、こちらまで涙が出てしまった。

<そして、歌子は父の家に戻り、寅さんと花火を見てから、伊豆大島の施設で働くことになるのである。
 不器用で愛情表現が苦手な文筆家の父と、夫を亡くし傷心で暮らしていた娘を再び父娘の関係に戻し、歌子が自立した事を見届けて一人再び旅に出る寅さんは矢張りとても良い男であると改めて思った作品である。>

NOBU