「DVD化もしくは動画配信強く求めたい幻の野球映画」男ありて　野川新栄さんの映画レビュー（感想・評価）

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監督は『太平洋奇跡の作戦 キスカ』『連合艦隊司令長官 山本五十六』『日本海大海戦』の丸山誠治
脚本は『隠し砦の三悪人』『椿三十郎』『兵隊ヤクザ』の菊島隆三

野球一筋の島村監督51歳
プロ野球監督歴20年だが優勝の経験はない
妻と2人の子供と犬1匹
低迷するスパローズに期待の新人大西投手が入団
大西を自宅の二階に下宿させる島村
野球漬けに付き合わされる島村の家族
妻の急死
葬儀のさなか娘の反対を顧みず最終戦に監督として臨む島村
試合中捕手の故障で9回の裏の守りで現役復帰する島村
見事有終の美を飾り４位浮上
球団代表に辞表を提出し妻の墓前に座り1人反省会をする島村

架空のプロ野球チーム東京スパローズのモデルは明らかに国鉄スワローズ（現・東京ヤクルトスワローズ）
ユニフォームの当時のデザインとそっくり
しかし島村監督のモデルは諸説あるが中日ドラゴンズで監督を務め球団初の日本一に導いた天知俊一氏が有力
NPBで唯一中日ドラゴンズがこの映画に協力しているところを見ると間違いない

この監督が野球だけの男で妻も娘も呆れ顔
年頃の娘に至っては泣く日もしばしば
息子は年老いたときに拵えた子供で「恥かきっこ」と呼び蔑み愛情さえあるかどうかさえ疑わしい

シーズン途中に新人が入団することはドラフト会議がなかった昔はよくあったことなんだろう

チームリーダーの矢野は選手でありながら助監督というかヘッドコーチのような存在
島村監督の良き理解者で右腕
三船は野球のユニフォーム姿もよく似合う

スクイズのサインを無視してホームスチールを成功させた大西は試合後ロッカールームで島村に体罰を喰らわされ一言「親にもぶたれたことがないのに」
ガンダムのアムロより早かった

好走塁を守備妨害判定でアウトにされたことを不服として激しく抗議する島村監督は突き飛ばすだけでは飽き足らず拳骨で顔を殴ってしまう一連のやりとりが面白かった
当然出場停止処分

愚直な仕事人間の終焉と悲哀

プロ野球チーム『スパローズ』の監督・島村達郎に志村喬
島村の妻・きぬ江に夏川静江
島村の20歳くらいの娘にみち子に岡田茉莉子
島村の小学生の息子・照夫に伊東隆
『スパローズ』の主軸打者でチームリーダー的存在しまいには監督代行も務めることになる矢野光男に三船敏郎
社会人野球からプロ入りした『スパローズ』の新人投手大西博に藤木悠
胃潰瘍に苦しむ『スパローズ』の球団代表・小池に清水元
『スパローズ』の丸山選手に土屋嘉男
『スパローズ』の北岡選手に松尾文人
瀬川記者に清水将夫
雑誌記者に加東大介