「母の思い」大曽根家の朝 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
母の思い
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戦争に反対する長男。思想犯として検挙されたおかげで妹の縁談を叔父が断ることになった。軍人である叔父とは違い、亡くなった父は自由主義者の家庭だった。翌年、美術学校を目指す次男泰二が召集される。彼もまた戦争に対して疑問を持っていた。「武士道とは死ぬことと見つけたり」などと単純思想にはついていけなかったのだ。
泰二が戦病死したと連絡が入り、三男隆も海軍予備学生を志す。娘悠子の再縁談。母杉村が夢の中で見た隆の戦死。やがて叔父が我が物顔で大曽根家を牛耳る姿。そして敗戦後、隆の戦友が形見を持ってくる・・・
戦後最初の木下作品ということもあり、場面は大曽根家の中が中心。舞台劇のほうがいいものになるのかもしれない。軍国主義を徹底的に批判し、捕われた長男を信じてやまなかった母親の力強い台詞が印象的。
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