「生真面目にエロ提供を追求する小沢昭一が印象的」"エロ事師たち"より 人類学入門 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
生真面目にエロ提供を追求する小沢昭一が印象的
今村章平監督による1966年製作の日本映画。原題:The Amourist/The Pornographer、配給:日活。
主演小沢昭一が生真面目なエロ事師を演じ、なかなか良い味を出している。彼の代表作か。ラテン・歌謡曲歌手でもある坂本スミ子も好演。ただ病院での発狂シーンはやりすぎか。ただ、義娘役の佐川啓子が、今村監督らしいと言えばそうだが、可愛らしさが足りず、物語の説得力が弱くなったのは残念。気づかなかったが、家を出て行ってしまう高校生の義息子役が近藤正臣で、何と映画デビュー作だそう。
原作の通り(交通事故で主人公は死ぬが、打ちどころのせいかあそこは・・・したまま)という訳にはおそらくいかず、わざわざ変えた苦労?のラストだが、意味がよく分からず、すっきりとはしなかった。ダッチワイフ作りに熱中する中、川の上にあった製作用小屋が、川をどんどん下り大海原に出てしまったことに、もしかして自分達映画製作の環境変化と可能性を物語っている?
監督今村昌平、脚色今村昌平 、沼田幸二、原作野坂昭如。
企画友田二郎、製作今村プロダクション、撮影姫田真佐久、美術高田一郎、音楽黛敏郎、録音紅谷愃一、照明岩木保夫、編集丹治睦夫、スチル荻野昇。
出演
小沢昭一スブやん、坂本スミ子松田春、近藤正臣松田幸一、佐川啓子松田恵子、田中春男伴的、中野伸逸カボー、菅井一郎緒方蓼雲、園佳也子その後妻照代、木下サヨ子古本屋のタケ、菅井きん小田先生、北村和夫医師、浜村純きたの会社の部長、中村鴈治郎(2代目)白鳥重役、榎木兵衛やせ型の中年男、西村貞子小肥りの女、桜井詢子精薄の少女、殿山泰司その父親、ミヤコ蝶々処女屋のおばはん、甲田啓子処女チヨ子、西岡慶子町工場のおかみ、小倉徳七町工場の親爺、玉村駿太郎西岡、福山博寿祈祷師、福地登茂グラマーの映子福地登茂
西村晃真田警部、島米八関口銀次郎、佐藤蛾次郎マコト、加藤武予備校講師、須藤圭子女子学園園長。