「一緒に年を取っていくことの幸せを信じる? (ルーシーの病室でのひとり言)」あなたが寝てる間に… きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
一緒に年を取っていくことの幸せを信じる? (ルーシーの病室でのひとり言)
本人が寝ているあいだに
結婚話が、あれよあれよと言う間に、トントン拍子にまとまってしまった・・このプロットは、さだまさしの人気曲「雨宿り」と同じですね。
男女の出会いや、お互いの結婚の決心なんてものは、実際非常に難しいものです。
だから二の足を踏むし、人馴れしていない昨今の若者は、生身の人間との付き合いに怖気づいてしまって、恋愛そのものへの臆病やためらいで一歩踏み出すのがホント難しくなっている。
そして二次元恋愛対象(=実在はしないアニメの主役)に、身も心も のめり込んでしまったりもしている。
だからこれは、
「寝ているあいだに進捗し、何事か決まっててくれれば、どんなにか楽なのになァ・・」って、思う人のための
夢のドタバタ物語。
サンドラ・ブロックとピーター・ギャラガーは眉毛がとてもよく似ている。
お顔が濃いんです。お似合いではないだろうか。
ラブコメとしては最上級の出来。
芸達者な俳優陣はゴージャスそのもの。
そしてどんな端役でも一人として力を抜かない、素晴らしい仕事をしているから、物語全体に嘘のない厚みが出る。
アメリカのシカゴは950万人の人口。
銀色のトラムが街なかの高架をやかましく走る大都会です。
先日アカデミーを獲得した「アノーラ」でも、主人公のアニーは安アパート住まいでした。
アニーの玄関の真正面にも同じような銀色の地下鉄が、騒音をまき散らしながら走っていましたよね・・。
(アニーはシカゴではなくNYのブルックリンでしたが)。
電車つながりで、それでふと思い出して、僕は本作の再鑑賞と相成ったわけです。
これは
トラムの改札でトークンコインを売る駅の職員が、毎日そこを通る男性に恋をした♡可愛い物語なのですよ。
うちの会社にもいるのです。
毎日毎日、本当に毎日毎日!商店街のアーケードのお肉屋さんに通い詰めて、コロッケをいつも買ってて、ついにはそこの看板娘を射止めた幸せな男がね。
いいお話じゃぁないですか。
冬はゲキ寒で有名なシカゴ。
ハートウォーミングなクリスマス♪
こんな寒い世の中だから、
ベタなおとぎ話だから、
だから、いいんですよ。
ラストの番狂わせも これまた凄くいいんです。
寒いからね、ハグしたくなるんです。
【線路への転落】
これは豆知識ですが、
盲学校の子どもたちは線路に落ちたときの訓練をやります。
すなわち、
「転落したら直ちに手さぐりで両方のレールを両手両足で触って確認して平伏し、大の字になって頭上を電車が通過するのをこらえる練習」です。
それだけ視覚障害者のホームからの転落は多いのです。
それ、晴眼者の皆さんも覚えておいて下さいね。
すぐに「緊急停止ボタン」を押します。
スマホ見てちゃダメですよ、何処に緊急停止ボタンがあるかは毎日あなたが確認して下さい。