熱海殺人事件のレビュー・感想・評価

タイトルだけ見ると旅情感あるミステリーが期待出来そう。
が、これならまだTVのサスペンス劇場の方がマシ。

熱海で工員が恋人の女工を殺害した事件が発生。
警視庁の名物部長刑事・二階堂は事件のショボさに不満。犯人や犯行をでっち上げて大事件に仕立て上げようとする…。

サスペンスもミステリーも無い。二階堂や富山から新任してきた刑事、二階堂と関係ありの婦人警官、犯人、その他諸々が繰り広げるシュールな笑い。
笑い？ ナンセンス過ぎて笑えもしない。
今ならコンプライアンスNGな性差別発言や反モラル、リアルなら完全アウトな隠蔽や違法の連続。こんなんで笑いを取ろうとしていたの…？
話も脱線しまくり。意味不明。
仲代達矢の珍妙な演技を見る分にはいいが…。

映画は不評。舞台は好評。
でも、舞台も同じような作風なの…？
合わんわ…。
おまけに総指揮はフジ相談役の例の人。うへぇ…。

最後まで見ればやりたいことはわかるのだが、わかったとて、という感じもあるし、なにせ最後までたどり着くのが困難…。劇団から筒井康隆的SFから漫才まで、シュールなメタ系作品の系譜ってあるけど、映像は必ずしもその表現手法としてむいてはいないんだなと。