「みんなが寄ってたかって複雑にしてるんだな」秋日和 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
みんなが寄ってたかって複雑にしてるんだな
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映画「秋日和」(小津安二郎監督)から。
登場人物は、ほとんど同じで台詞の言い回しも同じ。
役柄を意識しないと、作品を間違ってしまいそうなのに、
なんだろう、鑑賞後のスッキリ感が残るのは・・。(笑)
「セクハラ」「パワハラ」に値する台詞や行動が溢れ、
今、こんな作品を作ったら、大変なことになっていたな、と
メモしながらも、よき時代・・で済ませてはいけない、
知恵みたいなものが感じられる作品となっている。
夫は帰宅後、服を所かまわず脱ぎっぱなしにする。
それを、奥さんがハンガーにかけていくシーン。
もちろん、今ではこんな家庭は少ないだろうが、
夫と妻、着替えながら、夫婦でけっこう会話している。
今日は会社で・・とか、向かいの何とかさんが・・
こんな他愛ない会話だけど、よくしゃべっているのだ。
現代の夫婦に足りないのは「会話」だとも言われるが、
これなんかも、ヒントじゃないかな・・とメモをした。
気になる一言は、作品のラストの会話。
「世の中なんて、みんなが寄ってたかって複雑にしてるんだな。
案外、簡単なものなのにさ」
「シンプル・イズ・ベスト」なのに、私たちが複雑にしている。
なるほどなぁ、今でも通じることだなぁ。
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