「タイトルなし(ネタバレ)」秋立ちぬ マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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『立て冠に女』は差別される時代であった。
1960年の安保闘争直後に駆け落ち!?
特殊な世界を俯瞰した男目線で描く。この演出家がなぜ評価せれるのか全くわからない。
聴けば、自立しようとする女性の姿を描く事に長けているそうだが、現実の女性の姿ではない。もっと別の意味で女性は虐げられて来た。
この場合でも、「立て冠に女」がこんな感じでは存在していない。なぜなら、僕達家族が暮らしていた家の向かいの家がそう言う家で、子供ながらに近寄りがたく、祖母が「近寄るな」と言っていた。僕と年齢の近い兄妹がいたと記憶する。妹はこの映画の様にカワイイ垢抜けた子供だった。だから「金持ちなんだ」と思っていた。貧乏人の僕らには羨ましい存在だったのだが、実体はこう言う事。
30年後、イケメンだけどみそぼらしい兄と仕事の上で会った事がある。中小企業の経営者だったが、うだつは上がらない仕事をやらされている感じだった。多分、母親が1号になって、無理に継がされたのだろう。いやいや仕事させられているのが目に見えいた。その後、その会社は21世紀が来る前に廃業したと聞く。かわいい妹はどうなったのかは知らない。僕らが住んでいた街も跡形もなくなって、そこには知っている者は誰もいない。
この映画のしばしの悲哀よりも現実の方が厳しいと僕は思っている。
この演出家は男目線のファンタジーしか描けないと思っている。松竹の50作の映画に似てんじゃないかなぁ。小津安二郎監督の後継者とは言い難い。残念ながらね。
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