「どいつもこいつも、確信犯だわ。」赤いダイヤ KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
どいつもこいつも、確信犯だわ。
そして一番の確信犯は?・・・藤田まこと主演ならこの脚本で行けると踏んだ監督と脚本家だね。ほかの俳優だったら、このデタラメみたいな脚本でうまくいくわけがない。特に小豆を買い付けに北海道に行く。あのところなんか。まさに藤田のキャラクターを当て込んでの大博打。そして、見事にキマった。
小豆の話が出てくるところまでは話の進め方や主人公のキャラが強引すぎてトロくさくてみたられんなと思った瞬間もあった。リンテンションカード?で儲けようとする下りが詰まんなかったし
しかし。もうちょっと我慢してみようと思って。見てるうちに小豆の話が出てきて、それからぐいぐいハマってしまった。先物買いのことはよく知らんから、だいぶ分かんなかったけど。 基本、私はミステリーが好きなので、あの倉庫のことをもっと調べてみるべきだと瞬間的に思ったよ。もし急に小豆が出回った理由が「海外から輸入」とか「実は小豆じゃなかった」とかいう以外に面白いネタが出てきたらびっくりだったけどね。でも結局倉庫だったから私の思った通りで妙にはしゃいだ。そしてそのあと小豆を買いに行くクライマックス。あの話は超無理がある。あんな脚本では普通つまらない。バカ臭くて見てられない。でも藤田まことならそれでうまくいく。藤田まことと左卜全なら。あそこのところが最高に上手くキマった。またクライマックス直前の田中邦衛の悪役が本性を出したところが効果的だった。あれで盛り上がった。やっぱり悪役がいいと映画は盛り上がるね。それで彼が捕まるところがまた最高だった。「この女、モノにしたっ!」って瞬間の絶妙のタイミングでアッサリ捕まるというのが最高に笑えた。そして、ヒロイン役の設定の良さとラストまとまりの良さ。あの夜、実はヤッちゃってた・・ってのがエロいね。
この作品と翌年公開の「大阪ど根性物語 どえらい奴」とどっちがいいかって聞かれたらちょっと迷うね。どっちもいいよ。
