劇場公開日 2007年10月27日

「実在しうる人間の姿を丁寧に描いた、心温まる作品」この道は母へとつづく ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0実在しうる人間の姿を丁寧に描いた、心温まる作品

2007年10月22日

泣ける

幸せ

新聞に掲載された孤児の実話を基に製作されたという本作は、一言で言えばロシア版「母をたずねて三千里」だ。何がいいって、ひたむきに未だ見ぬ母を追い求める主演の少年のけなげさが、とにかくいい。また、彼を取り巻く孤児院の面々も、本物の孤児を含む素人を起用したとあって演技に嘘くささがなく、いつの間にかスクリーンから目が離せなくなること必至。ハリウッド映画のように劇的な展開が待ち受けているわけではないけれど、実在しうる人間の姿を丁寧に描いた、心温まる作品だ。

ダース平太