ダーウィンの悪夢のレビュー・感想・評価
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2006年の作品という事で、現在はここまで酷くはないとは思うけれど...
2006年の作品という事で、現在はここまで酷くはないとは思うけれども。タンザニアの悲惨な状況を克明に記録したドキュメンタリー作品。 ナイルパーチが大量に輸出されているその裏側で何があるのか、みたいな内容の映画。
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映像の持つ力をまざまざと見せつける衝撃作
タンザニアのヴィクトリア湖に何者かが放流したナイルパーチという外来魚が、自然体系の崩壊だけにとどまらず産業や国のあり方までもを一変させ、タンザニアが欧米列強主導のグローバリゼーションの波に飲み込まれていく様子を描いた衝撃のドキュメンタリー。 監督のフーベルト・ザウパーは、声高に主張することなく、ナイルパーチを欧米に運ぶ一方で、欧米からは兵器をタンザニアに運んでいるパイロットや、彼らの現地の恋人として、たった10ドルで身を売る売春婦、そして代用ドラッグで自分の心に蓋をするストリートチルドレンたちに根気よくカメラを向け続ける。 その映像があまりに恐ろしく衝撃的なだけに、僕ら観客は固唾を呑んで見守るしかないが、力強い映像のため決して目を離せないし、映像が持つ力をまざまざと実感させられることは間違いない。 かつて、南ヴェトナムの高官がカメラの前でヴェトコンを処刑した映像が世界に配信されたことで、世論が変わり、戦争終結へと向かったことがあったが、願わくば「ダーウィンの悪夢」が、タンザニアの悪夢の連鎖を止める一助になることを祈りたい。
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