「主演は玉木宏と宮崎あおいの、ふとしたきっかけから大学一年生で出会っ...」ただ、君を愛してる Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
主演は玉木宏と宮崎あおいの、ふとしたきっかけから大学一年生で出会っ...
主演は玉木宏と宮崎あおいの、ふとしたきっかけから大学一年生で出会った二人。素朴な洗練されてない不器用な時期の出会いは初々しい。だが、玉木の役どころは黒木メイサの役どころに心惹かれている。それが宮崎の役どころには複雑だ。玉木のほうは、黒木や小出恵介や青木崇高らの男女グループの仲間が出来たりする。青木のブレイクはつい最近だと思うが。宮崎と玉木で、女性のほうが男性のほうに惹かれている展開である。女は将来すごい女になったらどうすると男に問いかける。玉木の役どころのほうは黒木の役どころのほうに夢中だった。玉木の趣味だった写真撮影によって、宮崎も撮影が好きになるが、玉木と黒木が一緒に歩いているところに遭遇する。
二人きりでいたい宮崎は逃げていってしまう。三角関係のような状況なのだ。黒木が綺麗で性格も良い事への嫉妬もあった。「どうしてあの人を連れてきたの?ここは二人だけの場所じゃなかったの?あたしたちだけの大切な場所じゃなかったの?」困った顔をする玉木。ところが宮崎と黒木は仲良くなってしまい、驚いて玉木が宮崎に聞くと、「好きな人が好きな人を好きになっただけ」と答えた。ややこしいような、三人の関係。恋愛手前の友情関係のような。そんな人達に就職の時期が近づく。そんなある日、女性と感じてないままカメラの現像のために宮崎を1度自宅に連れていた玉木だが、二年後になんとなくまた泊めてしまうが、宮崎は初めてだけどいいのよと玉木に性行為を求めようとするが、玉木は相手にせず、ふてくされる宮崎。それに爽やかに笑う玉木。ここら辺に大好きな男性ならと貞操にいい加減な現代の女性観がみられるが、本気であったのだろう。
その後、宮崎のほうが玉木を部屋に誘い、乾杯して、それでも玉木は宮崎をまるで女としてはみない。宮崎のほうは料理に自信あるんだとアピールする。女性のほうが肉体をアプローチしてきても、手だしすることなく、しょうがねえなあと笑っているような男性は魅力的だと思う。玉木は本命の黒木にも誘われた。にやける玉木。にやけのそばには宮崎がいて、玉木はカメラマンになろうと思うが、君もやらないかと持ち掛ける。応じる宮崎。だが次の日曜は黒木のほうが先に約束があると玉木が言うと、宮崎はふてくされてしまう。だが、黒木とのデートの服装をアドバイスしてくれたりする。性的には成熟していながらの大学生というのは難しい時期だろう。そこで崩れてしまう人達もいる。ウエディングショーを観る玉木と黒木。玉木のうちで玉木が撮影した最初の出会いの宮崎が写った一枚をみて喜んで留守番している宮崎。黒木メイサの絶頂期だったか、ウエディング姿が観られる。玉木もタキシードというのか、それで一緒に記念撮影する。うれしかっただろう。そのイベントを終え、うちに帰る玉木。待っていた宮崎。歯が抜けていた。玉木のうちに泊まりながらも、黒木だけを思いなさいと肉体関係もなく言う宮崎。しかし誕生日プレゼントにはキスが欲しいという。
玉木とキス出来たらうれしくて死んじゃうかも知れないとさえいう。玉木は黒木とは五回キスしていると嘘をつく。キスは写真撮影の企画としてやるのだという。「誕生日いつ?」「明日にしよう」そして翌日の朝。モデルとして玉木と宮崎はキスをする。こうしたトリッキーな方法を編み出して。そして初めて彼の前で女性は眼鏡を外す。すると彼が少し驚く。それは宮崎あおいである。可愛いだろう。緑の森の中で1分にもなるような長いキスをした。こうした描写を美化して捉えるか、複雑なこの年代の男女関係。女性は男性が去る前に聞く。「今のキスに少しは愛があったかな?」授業に遅れた男は、ぼおっとしてしまっていた。そしてなぜか、「さよなら。今までありがとね」と書き残した冷蔵庫に貼られたメモ。驚いて学校の総務に行くと、昼間に女性は自主退学を届けたと言う。
仲間との卒業の手前、玉木は宮崎をずっと待つといい、黒木は私の失恋だねと玉木に言う。そして玉木はカメラマンになった。ある日、玉木に宮崎からの手紙が来て、アメリカにわたっていたら、なぜか黒木がきて、玉木と再会し、黒木は宮崎と半年一緒にいたという。今日は都合で宮崎は来られないが、宮崎の個展が始まるのだという。ところが、アメリカに渡ってまでのその時期に、宮崎の役、里中静流は先月、死んだばかりなのだと知った。黒木の役の富山みゆきの部屋で、それを伝える里中の父親からの留守電を聞いてしまった玉木の役、瀬川誠人はみゆきに、静流はどうしたんだ。と詰め寄る。本当のことを説明するみゆき。先天的な病気を持っていたのだという。そして誠人は静流の写真展に入る。そこには、多くの静流の撮影した写真があり、中に誠人を写したものが幾つもあった。そして大きな静流自身の写真が飾られていた。それを見つめる誠人。それは突然静流がいなくなってからわずか2年後の事だった。あの時の写真の下には、「生涯ただ一度のキス、ただ一度の恋」と書かれてあった。