「美味しい・・・って・・・芋虫のウンコかよ!!」アントブリー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
美味しい・・・って・・・芋虫のウンコかよ!!
アメリカでもウンコネタです。いじめられっ子のルーカスはいじめられた腹いせにアリいじめをしてしまう。アリたちはこの破壊屋であるルーカスには悩まされていたのです。普段は平和的なアリたちでありましたが、魔法使い(?)であるゾックは人間をアリサイズにしてしまう薬を作ってしまう。寝ている間にアリサイズにされたルーカスは蟻塚の中に連れられ、アリの生活を強いられることになったのだ・・・
『ミクロキッズ』や『ミクロの決死圏』のように仲間はいない。しかも自分がいじめていたアリたちに囲まれ戸惑うばかりのルーカスは、自暴自棄ではあるが、現状を受け入れるしかなかったのです。常に外敵に晒されて危険が多い毎日のアリさんたち。しかし戦うことを潔しとしない彼らは身を守ることに専念するのです。子供たちはチームを作ってエサ取り訓練。自己虫ぽいけど集団行動が基本で、チームプレイがとても大切。仲間を見捨てるなんてことはしないのがアリさんの世界なのでした。
巨大な人間ルーカスが突如現れるテロリストのような扱いだったに対し、アリ王国は武器も持たない絶対君主の平和国家。世界情勢の縮図を暗喩しているかのような世界を描くことも、アメリカが「平和とは何か」を模索し続けていることが根底にあるのでしょうか。それとも全く架空の国をモデルにしたのかわかりませんけど、天敵のようなハチ軍団に助けを求めたり、「赤は嫌いだ」と言いつつ結局は赤を好きになるという冷戦時代の終結を思わせるような台詞があったりと・・・そんなこと子供にわかるわけありません。
また、童話だと鯨に飲み込まれるのが定番ですが、この昆虫世界では蛙に飲み込まれるのです。これも何かのメタファーなのか?などと考えているうちに緊迫感がどんどん増して、思わず子供目線になって見入ってしまいました。悪い奴に服従することなく皆で力を合わせれば意見が通る!なんだか感動しちゃいました。
それにしてもトム・ハンクスのプロデュースで、ニコラス・ケイジやジュリア・ロバーツ。メリル・ストリープ、レジーナ・キング、ブルース・キャンベル、ポール・ジアマッティ・・・なんで吹替版しか公開されないんですか?