ベルナのしっぽのレビュー・感想・評価
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黒のラブラドール・レトリバー
駅や喫茶店、レストラン・・・ことごとく来ないでくれと入店お断り。まだまだ盲導犬の理解が薄かった時代。同じく盲目である夫・隆一(田辺)は世間と上手く付き合うために消極的であることもあって、以前は目が見えていたしずくは世間の偏見を取り払おうと強気な態度。そして盲目の夫婦が子供をもうけようと決意する。
やがて9歳になったベルナは白内障になり、目が見えない状態に。小学生になった息子隆太が「ベルナの目になってあげる」などと微笑ましい言葉も聞かれる。リタイアさせるのが自然だったが、ベルナのやる気を感じたしずくはリタイアさせない方針。
『クイール』では犬視線で観てしまったけど、こちらは家族愛のほうに重点が置かれてた。幼稚園を訪ねて、子供たちに盲導犬の話をさせてくださいと歩きまわる白石美帆。
人権学習に…
ベルナという光
しずくにとって、ベルナは目だ。希望の光だ。
強さと明るさ、行動力を取り戻し、輝かしい未来へ向かって歩いてゆくしずくの姿がとても素敵だった。
私は盲導犬を三回見かけたことがある。
一回目は駅のホームで。二回目は道で。三回目はスーパーで。
スーパーの時は、テレビカメラが撮影中という状況だった。
たったの三回という少なさに、あらためて驚いた。
白杖を持った人は、今年だけでも五回は見かけているのに。
いや、それも少ないのだろう。
目の見えない人は、もっとたくさんいるはずなのだから。
街を見れば点字ラベルや点字ブロックは当たり前のように施されているというのに、人々の理解はなかなか難しいようだ。
目が見えなくても、白状や盲導犬でどこへでも、安心して自由に行って楽しむことができる世の中になればいいなあと、心から思った。
爽やかな感動物語
白石美帆初主演で一匹の盲導犬と世間の偏見と闘った1人の女性の爽やかな感動物語。
白石美帆と田辺誠一の盲目同士の夫婦にベルナとゆう名の盲導犬がやって来る。
白石・田辺共に好演ですが、白石美帆の性格が‘世間に思いを伝えたい’との気構えが強い為に少し意地の悪い性格に描かれているのが気になる人には気になる程度で、この辺りは彼女のフワフワした雰囲気が程良く作品を中和させてくれています。
子役の子も上手い。特に小さい頃の男の子には舌を巻く位に感心させられました。隣人役の根岸季衣も好感の持てる役。
確かに昭和50年代にはまだまだ盲導犬に対しては偏見が残っていた。いや、今でもついつい好奇の目で見てしまったりします。
「ベルナは私の眼なんです」…と訴え続けた思いが時間の経過と共に少しずつ世間の眼を開かせていったのだと思います。
地味だしあまり刺激的な作品では無いですが、とても爽やかな感動を貰いました。子供がいる人には是非お勧めのファミリー映画です。
(2006月年10月4日シネ・アミューズ/WEST)
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