「オネエ・コメディ」ドリームシップ エピソード1/2 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
オネエ・コメディ
時は2304年、地球は火星移住者たちの反乱で危急存亡の危機、スターウォーズの元老院モドキの会議で出てきたアイデアは、そもそも火星移住が出来たのは2004年ネバダ州エリア51に墜落したUFOから学んだもの、タイムマシンで戻りあのUFOを破壊すれば火星移住は無かったことに出来ると言う・・。
問題は猫鈴、マシンはあるが試したことは無く危険すぎる、誰が行くかである。そこで白羽の矢が当たったのはスタートレックのエンタープライズ号ならぬドリームシップ号のカークならぬコーク船長です。なかなか奇抜なアイデアでおふざけなしでも行けそうなのにヒーロー達をオネエキャラに設定、案の定、下ネタばかりだから良い子には見せられません、残念。
どう考えてもオネエ達では頼りないのでスターウォーズのハンソロもどきのロッキーと元老院のメタファ女王を加えた5人衆の活躍となりました。
この映画もともとは1997年から始まったドイツの人気テレビ番組(Bullyparade)の寸劇のスピンオフだから軽いノリ、乗組員のオネエトリオも同じです。自虐芸(ゲイ)としてもオカマちゃんを笑いにするのは如何なものかと思ったらドイツはLGBTの天国だそう(ここから脱線・・)。
ヒットラーが同性愛者を忌避し10万人も処刑した過去の反動だろうか、ベルリンの人口は約345万人のうち約30万人が同性愛者という、2001年から2014年までベルリンの市長を勤めたクラウス・ヴォーヴェライトも党大会でカミングアウトしていますし街の至る所にクラブやバーなどゲイカルチャーが溢れているそうです。そういったゲイフレンドリーな下地があったからこそ、この映画が本国でうけたのでしょう。
スタートレックやスターウォーズ、インディペンデンスデイあたりは明解だが小ネタを含めてぱくったパロデイは30作を超えるというのも驚き、VFXも迫力勝負でなく意匠が奇抜、ドリームシップ号はチ○コ形で下劣だがイエローキャブそっくりの宇宙船はなかなか、タイムマシンンがアンティークなソファーだったり子豚のオルゴールも欲しくなった、笑いのツボが合わなかったのでキャラには白けたが製作陣の遊び心は感じられました。