劇場公開日 2006年7月1日

「DAME JA NAI ダメジン」ダメジン collectibleさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0DAME JA NAI ダメジン

2022年2月11日
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イン・ザ・プ-ルが監督デビュー作ということになっているけど、製作はこっちが先で真の長編デビュー作品はこのダメジン。1998年のパイロットフィルムもありDVDには収録されてる。
さまざまな事情で3年間公開出来なかったということで、公開年度順で3番目になってる。
題字を書いたのは、しりあがり寿。
DVDオーディオコメンタリーによると「ほぼ乞食」という初期タイトルだったそう。いろいろダメそうだし猫を焼いて食う出だしもマズイ、ギャグだけど。
猫ジジイの頭がかまいたちで切れて血吹き出す量が尋常じゃなくて笑った。細かい笑いが無数にある。
ゲシル先輩の登場シーンは全てがギャグ。「生命線をカッターで切って一周させてある」という台詞がパワーに満ち溢れていて胸に残った。
岩松了が着ている作業服の黒いオイル汚れは、円山応挙の幽霊の絵をコピーしてプリントしたもの。よくよく見てもほぼ分からない。

無職の3人組とトルエン中毒の少女とヤクザをメインに据えて、サンダル工場の4人、川の奇人、ゲシル先輩と猫ジジイと幽霊少女に宇宙生物までもが織りなす物語。
インドへ行って世界を救うというのと、小さなラブストーリーがあって、あとはギャグ。
ハーモニカ売りのおじさん役に歌手の菅原洋一で映画初出演。
バイト先の店長役に岡田真澄が出てる。岡田真澄の遺作となった。
ゴールデンチャイルド(金子さん)は無名の俳優さんなんだけど、その台詞を園子温監督が吹き替えで当てている。
ブラックな笑いや過激なギャグにシュールな展開で、ちょっと観る者を選ぶかもしれないが、演者も映画の作り込みも凄くて、ラストまでみっちり完成度が非常に高い映画。

2006.7.12 テアトル新宿の三木聡監督トークイベントの特典映像が入ってるんだけど
「プロデューサーにゴジラみたいな映画は撮らないんですか?と言われたことあるけど、オレが監督やるとゴジラの死体を片付ける話しになっちゃう。どーしてもクサイみたいな話になっちゃうよ。」と語っている。
2022年、本当にそうなった。

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