劇場公開日 1987年8月22日

「クリーチャー、特撮好きなら一見の価値あり。」レジェンド 光と闇の伝説 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 クリーチャー、特撮好きなら一見の価値あり。

2026年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

癒される

ドキドキ

カワイイ

冒険ファンタジー。
 粗筋とその世界観は良いのだけれど…。
 どこかで「トム・クルーズ様が、ぴょんぴょん跳ねるだけの映画」と聞いたことがあるけれど、そうか、そういうことか。

映像はキレイ。公開年代を考えれば、CGではなく、特撮なのだろう。
セット感はありあり。
ダークファンタジーなので、映像が暗く見づらい部分はあり、よくある骸骨やゴブリンなど特に新しいデザインではないが、作りこみが半端なく、シーンごとは息をのむ。
特に好きなのは、影と姫のダンス。話のテンポから言えばちょっと長いが、美しい。

話も、ポンコツチームなので、成り行きはハラハラさせられる。好きなパターンなんだけれどな。
けれど、なんだろう、話に共感できない。
 姫の、自分の要求に忠実な行いが発端となり、世界が一変する。それに対して、姫は姫なりに行動を起こし、姫を愛するジャックはこの森の精霊たちと一緒に解決に向かうのだが…。
 ファンタジーによくある”試練”もあるが、姫やジャックの成長譚とは言えない展開。
 精霊たちが活躍するが、近所の悪ガキが力を合わせている感じ。近所の悪ガキ冒険談は好きなんだけれどな。

 ジャック(トム様)はスタントをこなす。栴檀は双葉より芳し。
 ただ、元の設定が、単なる森にすむ若者なので、ターザン?という立ち振る舞い。きれいなアクションではないし、金ぴかの鎧を着ているけれど、騎士としての格好良さもない。剣など持ったこともないので、機転で乗り越えていく。魂のきれいな=世間に擦れていない若者らしさをトム様がちゃんと演じていらっしゃるのですが、”ぴょんぴょん跳ねる”だけに見えてしまう。格好良さ皆無。世間に擦れていない様子だけに、シーンによっては、頭のネジがたりないようにに見える…(涙)。
 『ザ・シネマ』のコラムで、監督は古典・コクトー監督の『美女と野獣』のような映画を目指したと知った。「監督はクルーズにフランソワ・トリュフォー監督の『野性の少年』(70)を鑑賞させ、野性的な身のこなしを会得するよう求めた」とある。
 それを踏まえれば、『野生の少年』は未鑑賞だが、野性的な身のこなしをトム様はよく演じていらっしゃる。

物語も、凝ったシーンをつなぎ合わせている感じ。

シーンシーンを作りこむことに夢中になってしまい、登場人物の設定とかがなおざりになってしまい、映画としては今一つになってしまった。

 そもそもファンタジー映画を好む人がどういう嗜好を持っているかをわかっていない。姫とツインになるのは王子様だ。でも、ジャックは王子様とは程遠い。王子様にふさわしいルックスをもっているトム様を起用しているのに!『ゴーストプロトコル』以降の『ミッションインポッシブル』のように、チームワーク作戦ではあるけれど、司令塔はガンプ。ジャックは良いアイディアを出し、実行役ではあるけれど、格好良さが埋もれてしまっている。
 そもそも『美女と野獣』と言うけれど、ゴシック的なゴージャスさを真似しただけ?姫にはベルのような高潔さはない。この映画の魔界の王子もジャックも、『美女と野獣』のような葛藤がない。粗筋を支える哲学(寓話)がない。
 全部中途半端。

この映画が機縁となり、『トップガン』に繋がるのだが、この映画でトム様の魅力を際立たせるように撮っていたら、この映画もヒットしただろうし、トム様ブレイクも起きていただろうと思う。
 なんとも勿体ない。

音楽:ゴールドスミス氏版を鑑賞。
タンジェリン・ドリーム氏版も見てみたい。

追記
 地獄に落とされるクリーチャーが、ウルトラシリーズの怪獣に見えてしまうのは、私だけ?

とみいじょん
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